中国には限らないのだが、情報を扱う上で必要なのがこの虚実という観点だ。『孫子』にも虚実篇というのがあり、ググると変幻自在でどうのこうので主導権を握れというわかったようなわからないようなことを書いてるのをみつけるが、なにやら高尚なものだとおもうからよくわからない説明をつけるのだ。これは簡単なことで、ハッタリ・釣りのことだ。ただしいくらかは本当のことが入っているのでどこまで本当でどこまでウソなのかをみぬくというのがその趣旨になる。中国ではウソ・ハッタリ・ゴマカシ・デマカセが横行しているので、その実を知るということは生活の上で必要な技術となっている。だから日本人には虚実篇の切実さがあんまりわからない。まぁ、日本人的には「ウソ・ハッタリ・ゴマカシで主導権を握れ」などと言われるとギョっとするだろうが、たとえばソフトバンクが公表している電波エリアが理論上の計算だけで出したもので、実態に合ってなくてもそのまま平気で使うようなものが実例だと言えば案外身近なものだということがわかるのではなかろうか。産地偽装もよくある話だ。中国はいろんな人が野放しで生きてるのでその程度も激しい。一時期言われていた中国は不信社会だからプリペイドカードが発達したという背景はそういうことだ。
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