メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

鷲峰山の行場

鷲峰山

 ネットで拾った飯道山かなんかの論文pdf(何でみつけたのか今探してもわからない)をみていると、甲賀の飯道山から奈良西部の矢田の松尾寺まで行く修験の修行コースが江戸時代のはじめごろには存在していたと書いてあり、そのコースが奈良盆地もしくは木津川を渡るときどこを通ったのかまでは書いてなかったのだが鷲峰山は通ったということなので、ちょっと見にいく気になって、高校のときの同級生で宇治・宇治田原あたりでブラブラしてるO氏とともに鷲峰山に行った。O氏も行ったことはあるものの、そのとき夕方だったので行場までは行かなかったらしい。以下写真に出てくるのはO氏。

金胎寺

 ところで金胎寺だがどうせ愛宕山のように麓から歩いていくんだろうと思っていたのだが車で近くまで行けるらしい。ということで当日は狭いコンクリートの道をクネクネ走らせながら楽して入口までたどりついた。

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金胎寺入口

 この建物があるところが寺務所で、本堂とかはもう一段高い所にあるのだが、この寺務所が行場の入口になっている。

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案内の看板

 看板にあるようにこのあたり全体「歴史的自然環境保全地域」に指定されており、特に行場はそのなかでも特別地域になっていて、あちこちに木の名前などを示す標識があった。

行場入口

 行場は尾根の先にある。金胎寺からつづく尾根の先の斜面にある岩場が行場になるので当然ながら行場の上は眺めがよい。

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行場上の眺め

 その眺めのよいところへ入るあたりに役行者の像があって挨拶をしていくわけだ。行者はポイントポイントでなんか行をしていくんだとおもうがただの遊客なので挨拶だけ。

谷まで下る

 ということで、その見晴らしのいいところから谷へ降りていく。

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くだり道

 行ったのが12月中旬で乾燥した落葉がたくさんありすべりやすい。しかも自分はナメてサンダルで行ったので何回か脱げた。まさかサンダルで行く人はいないとはおもうが注意。

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よくわからない鎖場

 降りるところに鎖場が一箇所あった。

いくつか滝

 谷まで降りると滝がいくつかある。

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 水の少そうな季節でこれなので、夏ならもっと水量多くて見応えあるのかも。滝にうたれたりする行にはいいのかな。この谷沿いにこういう感じの滝が何箇所かあった。

岩場

 そういうことである程度下ると岩場にまた取り付く。岩場に登る→水平移動→ 岩場(以下繰り返し) というように岩場に取り付くために道がついている感じがあるが、まぁ行場なのでしかたない。

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登っているところ

 当然ながら鎖場もある。

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鎖場

 全身運動を要求されるのでなかなかよい。景色もよい。

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元鎖場

 この岩壁、矢印があらぬ方に書いてあるが、もともと鎖場になっていたようで上にいくと鎖が巻いておいてある。こういう半分ハイキングコースみたいになってるところに鎖をたらしておくと、鎖に全体重をかけたり無理にひっぱったりする奴がいて鎖の固定がゆるくなってしまうんじゃなかろうか。それでなくても危険というところかな。何にせよあぶない。こういう感じでつづくので、登るのはいいが降りるのは勘弁。

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上からみたところ

 この写真は岩場を横から撮ったように見えるが、上からみおろしたところで、こんなところを登ってきたことになる。正確には登ってきたのはこの横かな。見るよりは登りやすい。

 最後に蟻の門渡りというのがあったがそこは迂回路がついていた。修行でもないかぎりいかないか。

帰路

 帰りに金胎寺の一段高いところに寄る。

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多宝塔

 この多宝塔は案外きれいになっていたが他のはボロが目立った。まぁ檀家もない修験の寺が今まで残ってることの方がすごいのかな。

 行場で結構時間をくったので飯道山には行かずわりと近くの笠置山に行ったらこっちもおもしろかったが、そこの住職によると、鷲峰山の行場ではときどき死者が出るらしい。これだけ本格的だとそうなるんだろうな。

分県登山ガイド 25 京都府の山

分県登山ガイド 25 京都府の山

南山城 石仏の里を歩く

南山城 石仏の里を歩く

  • 作者:石田正道
  • 出版社/メーカー:カニシヤ出版
  • 発売日: 2015/10/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

大神系図の山国出身伝承

淺川道夫・前原康貴『丹波・山国隊 時代祭「維新勤王隊」の由来となった草莽隊』2016

 すこし前、図書館に山国隊の本が並んでいたのでちょっとめくってみたら山国の歴史を祖述しているところでいきなりダメすぎる記述があり、誰が書いてんだ?と後ろをみると時代劇が云々と書いてあるので、なんだ物好きが適当に書いた本かと中身も見ずに戻してそれきりだったのだが、最近になって著者は軍事史学会に属してる人間で、本筋は山国隊を軍事史的に扱ったものでその部分は有用らしいということがわかったので俎上に載せる。全部ダメな本なら無視しておけばよいが、それなりの権威をもち有用な部分があって以後参照されるような本ならダメなところは叩かねばなるまい。そういうわけで事前に書いておくがこれから書く事はこの本の本筋には関係がない。以下書名が長いので淺川本とする。

通史部分の独自見解

 この本の値打ちは後半の各論の部分にあるので前半の通史部分はどうでもいいといえばどうでもいいのだが、たとえば山国隊と岩倉具視の部分について

山国隊誕生の日付であるが、藤野の『東征日記』では一月十八日なのだが、水口民次郎著『丹波山国隊史』では荒尾邸訪問の翌十九日午前になっている。確かに、因州藩家老に斡旋を承諾されたその足で岩倉に会う、というのは段取りが良過ぎる気がするので、こちらが正しいように思われる。

 というようなそれなりの見識をみせている。単なる通史の祖述から一歩踏みこんでしまってるわけだ。まぁもっともこれは山国隊のことなのでこの本の本筋でもありそれなりの見解を出すのはわからんでもない。問題はもっと前、山国の成立のところだ。これ幕末諸隊の山国隊史としては本当に書く必要のないところなのでいらないことをしたものだ。

「本苗大神山国家系図

 この本の冒頭で山国という地名の成立についてこんなふうに書いてしまっている。

『本苗大神山国家系図』によれば、この頃の木工権頭である山角国麿は小野妹子の子孫で、平安京造営の御用材を調達するために、丹波国桑田郡へ出張した。

 この山角国麿略して山国という由来なんか書いてしまっている。以下略するが、この調子で明智光秀のあたりまで大神系図を援用している。この大神系図というのは、戦後山国に奈良の方から大神源太郎という人がやってきて、生駒の宝山寺から出てきた系図に山国のことが書いてあるとして持ちこんだものである。そしてそのころの山国や弓削あるいは小野郷・雲ケ畑のあたりの人をまきこんで墓を建てたりしたようだ。まぁしかしこれ山国は他にも豊富に資料があり、それと系図の記述内容が齟齬するので簡単に偽系図だということがわかるのだが、それにしては現地情報が豊富に含まれているのでいくらか真実が含まれているのではないかと思う人がいたりあるいはコロリと騙されてしまう人もいるようだ。そもそも大神源太郎氏自身もコロリと騙された口ではないかとおもわないでもない。

 そのようにコロリと騙されてしかもそれを一冊の小冊子にまとめてしまったのが岡本剛次『禁裏御杣御領山国の古代史を解く』1992 で、これは今京都学歴彩館にも開架で並べてあるので物好きは見にいくとよい。まぁ普通に仕事してたおっさんが引退してから郷土史やりだしてこういうのにコロリとまいるのはよくある事で本まで出してしまうことは立派な事だし、こういう仕事のおかげで大神源太郎氏のことがまたわかるという面もあるので値打ちがないとまでは言わないが、通史の元ネタにするには弱い。残念なことに淺川本の参考文献にこれが挙げてある。

竹田聴洲の大神系図論文

 もしこの大神系図について現時点で何か書くなら、まず参考にするべきなのはこれだ。

竹田聴洲「伝禁裡御杣丹波山国庄木工助大和大神家家譜 解説並に原文 -山人の系譜伝承-」『竹田聴洲著作集』9,1996
(初出は『佛教大學研究紀要』46、1964)

 ちなみに竹田氏は「これは独り一つの村の歴史の欠を補うというにとどまらず、広く前代常民生活の埋もれた足跡を暗示するところが大きいのではないかと考えられる」と書いているので、いわば「いくらかの真実が含まれている」派のようにみえるが、実際に内容をみるとそうではない。大神源太郎氏が収集した一群の山国出身伝承が書かれた系図とは異なり、しかも時代的には先行する九州出身伝承が書かれた享保正徳頃の文献が出てきたので、それと合わせて後世の課題としてまとめて残してくれてた非常にありがたいものなのだ。

 この竹田氏が追加してくれた九州出身伝承の威力は絶大で、たとえばこれだけで気の早い人だと大神氏の山国出身伝承を抹殺できる代物なのだが、しかしそれにしては山国出身伝承がやけに詳しく現地情報も豊富に含まれている。そこについて竹田氏のころには考える材料がそろっていなかったのと、大神源太郎氏が活発に活動していた時期なので面とむかって否定もしづらい、それに案外山国でも受けいれている人がいる、そこで山人伝承ということでとりあえずまとめたというところだろう。竹田氏の配慮はその九州出身伝承を伝える部分を最後にこっそり紹介していることでもわかる。読む人が読めばわかるように構成されているのだ。

奈良の富雄方面では山国出身伝承はまだ生きている

 ちなみに奈良の富雄の方ではこの大神氏系図の山国出身伝承はまだ生きている。たとえばこれ。

www1.kcn.ne.jp

 奈良の西大寺の南の方で一年くらい暮して奈良盆地内の古墳などみてまわったことがあったがそのころ行ったことがある。他にもあるのだが、この富雄のあたりにはかなり流布している。そもそもであるが、この大神系図系の山国出身伝承、『富雄町史』1954 (昭和29年) に一部掲載されているのである。ちなみにそこではこのように紹介されている。

ハ 伝承
 地名のいわれや、領主・長者のこと、或いは地理に関することなど、本町の伝説もかなり語られているが、その多くは「小野氏系図」に集成され、またこの系図が造製したものである。そこでここにこの系図を抄掲して本項を埋めることにする。もとよりこの系図についても、また所説についても信をおくには足りないし、作者またその作製年代もほぼ推定されるが、この系図所掲の伝説が醸成或いは通用していたことも注意されねばならない。

 というわけで、富雄周辺で信仰にとりいれられてしまった以上簡単には消えてなくならないだろう。ところで大正のころに奈良県風俗志編纂資料として調査されたものの富雄村の分にもこの系統の伝承が散見されるが、その中にあるおもしろいのを一つ紹介しておこう。

よ 舊家ニ関スルモノ
富雄村大字中 青井家 當家ノ祖 小野福麿ハ大神常陸従四位下木工權頭タリ天平十年寅二月逆臣冬勝ノ為ニ暗殺セラル 同十代養男源宗善ハ改姓ノ中興 山國木工權頭 従五位上 同三十八代爲經ハ前ノ住兵衛ト云フ 元和六年二月卒 同四十五代為明、青井佐兵衛ト云フ 青井家ノ祖ナリ 天保七年六月死後爲信、為貞、為規、為鎮ヲ經テ現ニ五十代為次ニ至ル 熊太郎ト称ス 村内ノ名家ナリ

 この青井家が竹田氏の論考の中にでてくる青井家であろう。あんまりつっこんでもしかたないのでこれくらいにしておく。

椿井政隆との関係

 ちなみに自分も中学生くらいのころに京北町の文化センター(今はない)の図書室でその岡本本をみてなんだこれは?と思った記憶があり、なんかの機会にすこしづつ調べたりしていたがよくわかっていなかった。最近わりとわかってきたのだが、たとえばこの富雄に霊山寺という寺がある。そしてこの寺は「興福寺官務牒疏」という興福寺関係の古文書のリストの中に挙げられているのだが、この「興福寺官務牒疏」は一部で最近有名な椿井政隆が作ったとされる偽文書であり、そこにのっている寺は椿井が偽由緒をつくったものが多いことになっている。椿井政隆についてはたとえば馬部隆弘のこの本など参照のこと。椿井文書などのキーワードで検索してもいい。

由緒・偽文書と地域社会―北河内を中心に

由緒・偽文書と地域社会―北河内を中心に

  • 作者:馬部隆弘
  • 発売日: 2019/02/28
  • メディア: 単行本

 実際に霊山寺をみると「鼻高山」という妙な名前の山名をもっており、しかも大神系図系の伝承の中で鼻高の由来が小野富人なる人物で説明されている。これも椿井文書の一種とみるとおもしろいのだが、そうすると椿井が山国へなにかで取材しに来たことがありその材料をつかって京都の山奥の山国からはなれた奈良西郊山間部の富雄で由緒をつくったということになる。自分が今調べていることに直接関係するわけではないが、これについてもまだ材料集めているところなので可能性として一応書いておく。

九州出身説について

 大神氏と山国あたりを繋ぐ、つまり情報を得る経路の可能性として、他に鷹峯の薬草園がある。京都から山国へ行くメインルートとしては鷹峯から杉坂をこえていくルートが一般的だったが、その鷹峯にあった薬草園の管理をしていたのは藤林家である。この家は実は九州の大神氏の系統で、室町時代大内義興について来てそのまま室町幕府に仕えたということになっている。今話題にしている大神家も奈良なら「みわ」と読んでもいいのにわざわざ九州系の「おおが」と読んでいるので九州出身というのは説得力がある。しかも共に医師家業なのでかなり狭い世界に属していたことになり、椿井文書説以外にもそういう経路での情報入手が考えられる。

 九州から流れてきたという説自体についてだが、朝鮮役での失態で大友家とりつぶしのあと、秀吉の九州征伐で活躍した藤堂高虎をたよって豊臣秀長大和郡山まで来たあと、秀長の死で高虎についていき、そのまま三重の津藩の家臣となった佐伯家という実例もあるので、同じような動線をたどって大和郡山に残留したというのは十分ありうる事で突飛もない話ではない。織豊期から江戸初期にかけての人口移動は漠然と思ってる以上に激しいということだ。

山国の由来

 さて最初の淺川本の話題にもどると、そもそも山国の地名の起源を求めるのにそんな怪しい系図の中の語呂合わせを持ってくる必要はない。既に古墳時代にはそこそこ奥の方まで古墳が確認されるほど開発されており、奈良時代には山国里という地名が書かれている木簡まで出ているのだから、由緒書や系図程度が想像するよりも古いところに起源を求めることができる。そういうわけで自分などは出雲に山国郷があることに注目しているのだ、とそこまで踏みこんでしまうといかにも胡散臭い郷土史家風でちょうどよい。

丹波・山国隊: 時代祭「維新勤王隊」の由来となった草莽隊

丹波・山国隊: 時代祭「維新勤王隊」の由来となった草莽隊

山国隊 (中公文庫)

山国隊 (中公文庫)

2019年eInk社の新カラー電子ペーパー ?

突如登場した新カラー電子ペーパー

 Good E-Reader でeInk社(台湾 元太科技)の新しいカラー電子ペーパーと称するものがでてきた。

www.youtube.com

goodereader.com

goodereader.com

 この2019年11月28日に東京でおこなわれたワコムのイベント ( Connected Ink 2019 )で紹介されたらしい。これについては今のところ Good E-Reader くらいしか詳しい情報がない。Good E-Reader は長年電子ペーパーに関わっているのでその点での信用はあるが、情報の細部については案外雑なので情報源としては微妙なところがあるので公式の発表を待ちたいところだが、とりあえずは Good E-Reader の書いてるところをまとめておく。

TFT なのかeInk社の電子泳動方式なのか

 まず一番肝心なところがよくわからない。記事の中で TFTと書いているところがある一方であたかも在来の電子ペーパー技術のように書いているところもある。たぶんTFTというのはTFT液晶のことではなくて、薄型トランジスターで制御するということだということにしておこう。Youtube の映像をみると手の影が黒くなっているので画面は発光してなさそうだ。

プリントカラー電子ペーパー技術?

 説明のかぎりでは赤青緑白を組みあわせて色を作り出す方式というところで、発光体(eInk社の電子ペーパーの場合泳動体のカプセル)の上にカラーフィルターをのせる方式と同じだが、そのフィルターの部分に工夫があるという。これもいまいちよくわからないところなのだが、今まであったようなガラスのカラーフィルターを通すものではなく、eInkフィルムの上に直接印刷して色付けする「プリントカラー電子ペーパー技術 (Print-Color ePaper technology)」を採用しているという。よくわからないのだが、そういうのが可能ということにすると、電子ペーパーの粒の上に色塗って赤青緑白を表現しているということになる。となると今のeInk社の電子ペーパーは16階調なので赤青緑の組み合わせだけをみると16の三乗で4096色となる。実際、発色可能な色は 「数千」と書いている。しかし明度を調節する白つまりなにも色塗ってない部分の寄与はよくわからんのだが、実は8階調で 8の4乗色ということだろうか。よくわからん。ガラスのカラーフィルターは液晶やLGの有機ELでつかわれているが、これは発光しているからそれなりに見えるので、発光しない電子ペーパーでやるとちょっと暗くなる。あと、ガラスのカラーフィルター方式のカラー電子ペーパーはプラスチックロジック社(ドイツ)が実用化してるので、eInk社としては公式にしづらいところもあるんだろう。あるいはそのまま出そうとすると特許を買うハメになるのかもしれない。

 さて心配の色具合だが、映像をみるかぎりではなかなか枯淡な感じの発色でわるくない。プラスチックロジック社方式のカラーフィルターの電子ペーパーも実物をみたらまぁこんなもんかという感じだったが、並べると違うのかな? 前にも書いたがカラーの場合目が勝手にいい感じに錯覚してくれるので画素数が粗くてもいける。しかもワコムのイベントで出てきたものなのでワコムとの協業という面もあるらしい。2020年後期から出荷ということだがまぁ今回が観測気球というところなんだろうか。とりあえず出してくれるのを期待する

 ちなみにフィルター方式ではない真のカラー電子ペーパーである ACePのキットの発売はもう開始してるようだ。

(20200502 実製品の動画の記事はこれ)

inudaisho.hatenablog.com

ソニー SONY デジタルペーパー (A4サイズ) DPT-RP1 [国内正規品]

ソニー SONY デジタルペーパー (A4サイズ) DPT-RP1 [国内正規品]

  • 発売日: 2018/07/24
  • メディア: Personal Computers

電子ペーパー採用のシャープの電子ノート WG-PN1

電子ペーパー端末

 電子ペーパー端末は分類すると三つくらいあるとおもう。

  • Amazon Kindle のような 読書専用端末

  • ソニーのデジタルペーパーのような筆記に特化した端末

  • 文石科技(広州 Onyx) の Boox シリーズのような汎用Android 端末

 ところが第一の読書専用端末を別にするとその他のものはAndroid端末なのだが、どうも電子ペーパーをフルに生かしている感じがあまりない。読書専用端末などのように専用のバイナリをつかっていると、画面を表示させたままスリープという芸当ができるのだが、Android系でそれを実現したのは今はなき YotaPhone くらいだ。

 操作系として、Android をベースにしたものはディスプレイを電子ペーパーにしただけというのばかりで、そのあたりは不満だった。

シャープの電子ノートが電子ペーパーを採用

 さて反射型液晶による電子ノートでの蓄積があるシャープがついに電子ノートの画面に電子ペーパーを採用したというので、どんな料理をしたのか気になって発売日にヨドバシまで見物に行ったのだが早く行きすぎて展示品が届いておらずさわることができなかった。ということで既に行きわたってレビューとかも出ている中、展示品だけをいじりに行った。

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新旧比較

 あきらかに電子ペーパー採用した方がみやすいのだが、問題は操作感だ。新型は電子ペーパー端末としてはキビキビしている印象で、かなりよい。ただ、旧型の方をいじると、反応のよさという点では反射型液晶に電子ペーパーは勝てないことがわかる。シャープはかなりがんばっていて、書いてるときの感覚はそれほど差がないのだが、待機からの復帰とか画面の切り替えとかでやっぱりもたつく。このあたり、電子ペーパーをコントロールするAPIがそれほどチューニングされてないからモタモタしてるんじゃないかと疑っているんだが、eInk社(台湾元太科技) は独占企業なのでしかたないところもある。

 自分はあくまでも電子ペーパー端末としてしかこれを見ようとしていないので、その観点からだと「かなりよい」ということになるんだが、従来のユーザーからする受け入れ難い人もいるだろうなとはおもった。

 あと、たまたま展示品のペンがわるかったようで、どうも書いたときの反応がよくなかった。ペンが悪いというのは新旧両方とも反応がわるかったから。展示品のペンをパクってる奴いそうな感じがある。

Boox Nova Pro と 比較

 ついでに Boox Nova Pro と並べてみた。

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Boox Nova Pro / WG-PN1

 当然だが7.8インチの Boox Nova Pro の方が大きい。起動時間はWG-PN1の方が早いな。まったく別物なので比較もないか。書くという点でもBoox系は筆圧感知なのでまったく違う。

LEDセンサーライト設置一年

中国製LEDセンサーライト

 日本製のハロゲン球式のセンサーライトは買ったことあるのだが、中国製のLED式のセンサーライトがアマゾンに溢れていたので設置を検討したのが去年。それからどうなったのか書く。

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新しく設置

 今アマゾンでセンサーライトを検索するとたくさん出てくるが、去年検索したときたまたま安かったのをいろいろ買った。その中で白熱球式のものは結局いいのにあたらなかったのだが、投光器式のものは及第点のものをみつけた。まずは比較として買ったものを紹介するとこの二つ。

 今検索上位に出てくるのは MEIKEE の方で W-LITE の方はあんまり上位にはない。これはわからなくもなくて、外装だけでいうと MEIKEE の方が上なのはまちがいない。取り付け金具が長くて設置しやすいし買ったときはコードも長かった。W-LITE は外装まわりがとにかく雑で、傷がついたのをペンキで塗りつぶしたりしているし取り付け金具も足がみじかくてやりづらい。

 ところが MEIKEE は微妙に不良品にあたったのか、肝心のセンサーの具合がわるい。最初から不安定だったのだが、一年たたずにセンサーがバカになり夜中になると点灯するがつきっぱなしになるという状態になったのではずした。W-LITE の方は、とりつけるときは文句を言っていたのだが、こちらのセンサーはかなり確実で、不安定なところがまったくない。その後買い増しした結果、今は家中に6個設置している。

一個二個なら日本製

 W-LITE は中国製にしてはめずらしくセンサー自体の性能が安定していたので6個も買ってしまったが、MEIKEEみたいに製品管理が雑で、不良品でもどんどん売って返品・交換にどんどん応じるというのが普通なので、そういうのにつきあわされるのがいやな向きはおとなしく日本製を買うことをおすすめする。安物買っても結局同じくらいの金をつかってしまう。

 ホームセンターでよく見るのがムサシのRITEXだが、これも今はLED化してるなぁ