君見ずや出版
今週は4冊。意外と多い。ちょんぼが多くて何回も出版しなおしている気がする
囲碁の入門書。昭和7年に出てから戦後まで刷りつづけられた息の長い本。
仲木貞一『キリストは何故日本に来たか』昭和15年(1940)
『南洋諸島の古代文化』はジェームズ・チャーチワードのムー大陸本を日本で初めて紹介したもの。欧米での太古の歴史の扱いはキリスト教の聖書の創世記を参照するのが普通だったもので、18-19世紀の考古学の発達もギリシャ神話と創世記の裏取りみたいな面があったんですが、20世紀にもなるとそんなものではないことがわかってきます。とはいってもまだまだ創世記の影響というのはつよいもので、創世記の記述を反映する史実があるにちがいないと考える人もいるわけです。ムー大陸なるものも、考古学的知見があつまった中で、まだようやく知られはじめた太平洋の島々の文化の解釈のために想像力をはたらかせたものという面もあってそういうゲームとしてみればなかなかおもしろいものです。
『キリストは何故日本に来たか』は竹内巨麿の妄想と時代の空気がミックスした不思議なもので、こういうものがクローズアップされた謎の時代があったというのを知ることができます。映画にまでなっているというからすごい。当時の「国策映画」なるものはお上がくれるただの認定なので、名前と実があっていないものも多かったようですが、この映画は「国策に沿う」つもりで真面目につくられたようで、頭のおかしい人というのはいつの時代にもいることがわかります。
今でも青森の戸来村にキリストの墓があって観光資源として利用されてるみたいですが、公告なんかみてるとそういう面もあったものとみえる。まぁ、傍から見てるとおもしろいですよね。
今もまだ地震がつづいているこないだの熊本の震災で大きな被害をうけた熊本城と加藤清正について、熊本の知事赤星典太(1858-1958)・熊本軍人界の重鎮 緒方多賀雄(1869-1935)・郷土史家の平野乍(平野流香)(1883-1950)がそれぞれの見地から文章を書いた小冊子。
そろそろ売上がやばい水準に落ちてきた。あたりまえか。