固定レイアウトの目次

君見ずや出版

　固定レイアウトの本でも目次をつけれるのは皆さまご存知の通りだが、一つ問題点がある。たぶん普通に固定レイアウトの本を作っている人には関係のない話だ。たぶんAmazonもこういう問題があるとは思っていないだろう。
　君見ずや出版が固定レイアウトの目次をつくるときはこうしている。

1. Kindle Comic Creator(以下KC2) で目次入力
2. 自作スクリプトでtoc.ncxをhtmlに変換
3. htmlをいじって構造化
4. Kindle Previewer (以下KP)で mobi生成

　htmlに変換するのはその方がいろいろ楽だし、項目が少なければ html目次と兼用できるからだが、これをKPでmobiに変換するときエラーがおこることがある。html目次の問題ではなく、Kindle端末用目次の方だ。

　たとえばこのページの場合、第二節第四項が第三節と同じページにある。こういうのはエラーが起こりやすい。普通のテキストの場合、ページの概念はなく、アンカーを置くのはテキストの位置なので、目次の順番を間違えない限りこういう問題はおこらない。しかし固定レイアウトの場合、アンカーが置かれるのは同じ場所になる。したがって第二節第四項と第三節が同じところにリンクが置かれ、KPがエラーで止まってしまうのだ。有難迷惑な仕様だ。同じ階層..たとえば第三項と第四項が同じページにある場合は警告だけなので問題はないが、mobi生成してくれないのは困る。
　ただ、これもいつのまにか修正されて、エラーを出す場合が減っている。たとえば以下のようなページの場合はエラーがでなくなった。

　これは第五節第四項の下の第三項が第六節と同じページにあるが、二階層以上ずれているとエラーがでなくなる。Kindleの端末だと二階層以上深くしても意味がないということなのでそのせいかもしれない。未だに Android のKindleアプリでしか確認してないのでそのへんはわからない。html目次だと律儀に深い階層を掘った方が見やすいからだ。
　あと、KC2でとりあえずつくっておいて、あとでリンクをいじってページを前後させても問題が起こる。この場合、目次のリンクがおかしくなる。
　それから固定レイアウトでもhtml目次を縦書きにできるのだが、それは形だけだ。実際にやってみると、html目次のリンクが機能しなくなったり、レイアウトがずれて画面からはみでたりする。縦書きの方がいろいろ都合いいのでときどき試すのだがダメなので横書きでhtml目次を構成している。しかたない。
　最初からepub3をつくっておいてmobiに変換するという手もあるが、KC2が目次入力機として便利にできてるのでなかなか移行する気にならない。自分で作るべきなのか。