メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

新刊案内

 君見ずや出版
 今週は今までと毛色が違ってド宗教を二冊。全集をカバーするつもりだがページが多すぎなので挫折するかも



出口王仁三郎出口王仁三郎全集 第一巻 皇道編』『出口王仁三郎全集 第二巻 宗教・教育編』昭和9年(1934)
 大本教出口王仁三郎の全集の第一巻第二巻。第二次大本事件の前年に出されたもの。最初に皇道編が来るのはやはり時勢にならったものだろうか。しかし検閲官が傍線をひきまくっていたので消すのに苦労しました。
 キリスト教についての言及がものすごく多いのだがこれは出口王仁三郎が教会で勉強したかららしい。この5月頃、綾部見物に行ったとき、大本の本部も見にいったのだが、そのとき出口なおの家の跡の目の前にキリスト教の教会があって驚いた。調べてみると出口なおに「艮の金神」とかいうのが憑いたのが明治25年で福知山の教会が洪水で流されて綾部に移ってきたのが明治27年らしい。教会が出口なおの家の東北(艮)にあったらおもしろかったのだが残念ながら反対側の西南にあった。出口王仁三郎が出口家に迎えられたのが明治31年
 ちなみにグンゼが綾部で創業したのが明治29年。創業者の波多野鶴吉はじめ主脳陣はみなキリスト教徒で、経営にキリスト教をとりいれ社員女工もどんどんキリスト教徒になった。そのグンゼが地域の産業の中心としてブイブイいわせていたのだから、日本の他の地域とちがいキリスト教の威光は並々ならぬものがあったのだろう。出口なおに神が憑いてお筆先を示したという土俗的な出発をした大本教がこんな得体の知れないものになったのもグンゼの成功の影響ではなかろうか。