メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

YotaPhone3 (Yota3) の価格と重慶市潼南区

 YotaPhone3 (Yota3)だが、京東(jd.com)に2017/9/5予約サイトが開かれるという情報が流れていたが、結局9/10現在まだ出てきていない。ロシア大使館が絡んでいたり、BRICS の会議で配られたりと政治的な道具として使われている感があり、そうそう商業的に計算されて出てくるものでもないのかもしれない。しかしとにかく確実な情報が足りない。価格についても先行して発表しているところがありネットの各種情報サイトはそれを鵜呑みにし、自分も怪しみながらも日本人には関係ないので記事にしているがあれはやはりニセであるようだ。そもそもロシアとか Yota 自体が飛ばしの情報を平気で出してくるという問題がある。

YOTA双面屏手机CEO张光强透露:YOTA3可能售价4000+搜狐科技搜狐网

 YotaPhone3(Yota3)の価格だが、8/23のロシア大使館での発表会で価格に触れられていたらしい。4000元強だそうだ。6.7万程度ということで、うーむ。やっぱり高いぞ。

 ロシア大使館での発表会だが、実はそこで重慶市潼南区との提携の発表がされていたらしい。その内容が9/1に改めて発表されている。

俄罗斯国礼手机YOTA正式落户潼南高新区-综合-潼南网

YOTA手机将在重庆建生产制造基地

 まぁ要約すると、重慶の潼南に10億元かけてつくられる先進技術工業団地に Yota 入りますので、来年2018年の後半には「重慶産」のスマホが世界に出まわります、という話。この9月19日にその潼南で国内向けの発表会があるのはその工業団地のお披露目も兼ねているということだろう。

 これらの記事の中で気になるのが「電子ペーパー面の解像度がYotaPhone2に比べて4倍になる」という所。YotaPhone3 の電子ペーパー面は5.2インチだが、これはYotaPhone2 の 4.7インチと比べると大きくなっているのだが、画素数は同じでdpi的には逆に低くなっている。eInk社に電子ペーパーの仕様が公開されており、これから世間に出るものについてはこれをみれば一覧できる。

E Ink │ Display Module

 みてわかるように新しい製品が追加されているわけでもなく4倍というのが何を意味するのか不明。来年そういう製品が出るということかもしれず、それだと今から出るのとは違うということになる。いろいろ謎である。

f:id:inudaisho:20170911134720p:plain

(1980年代の米軍地図 1/500k)

 ガジェット記事的なことを書いたが、最後に重慶市潼南区について書かねばなるまい。重慶市というのは四川省湖南省の間の山の中にあるのだが、とにかく酷い山の中で、重慶以外はどうしようもない過疎地と言う他はない。それをなんとかするべく重慶とその周辺をひっくるめて特別市に格上げし、ものすごく広い市をつくって開発をすすめていこうというものである。で、潼南区であるが、地図をみるとまず国道が通っていない。歴史をみてもここが県に昇格されたのが20世紀初頭になってから。唐代に起源をもつ寺院があり、宋代につくられた大仏が名物になっているが、山の中の寺である。そういう辺鄙な地区だったが、2000年代以降の大開発時代に鉄道が通され高速道路が通されて開発の下地が整ったという場所。そういう国の動脈からとりのこされた場所は自分のような物好き旅行者にとっては垂涎の地で行けばかならず何かおもしろいものがあるのだが、このように開発されるようになってはそういう面白いものは全て抹殺されてドシドシ新しいもので建てかえられているかもしれない。

 ただこのように地図をみると、場所としては四川盆地の中にあるのでゆるやかな山の中ではあっても可能性はあるのかもしれない。内陸のバンガロールのようなことを夢みているのだろうか。

 ま、そういう辺鄙な地区の開発のために工業団地をつくるということはよくあるが、Yota がそれにのっかるのもまた政治の道具的な面が強くみえ、4000元強の件も含めて YotaPhone3(Yota3) の事業が事業としてうまく行くのかなんというか微妙な感がある。ほぼ同じスペックでぶつけてきた Hisense A2 Pro の方がうまく行くんじゃなかろうか。