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KDPの画像サイズについて

写真集作品など要注意、AmazonのKDPガイドラインが更新、画像の最低ピクセル数について言及 – hon.jp DayWatch
 しばらく前に Hon.jp とかいうとこがドイツ語の個人作家向けのサイトとやらをソースにして注意喚起をしていた。まぁ元サイトをみたらわかるが、ドイツ語ソースの結論は

  • 規則を破る
  • 代理業者をつかう(日本でいうとBCCKSみたいなやつ)

 ということで、そのハメコミ具合からいくと代理業者の回し者かとおもわないでもない。あんまり参考にならない情報なのはたしかだろう。

「Kindle パブリッシングガイドライン 2017.1」更新内容チェック | 電書魂
 その後、それに対してAmazonガイドラインを詳細にチェックした人がおり、自分のような違いのわからない大雑把な人間にとっては実に参考になる事を挙げてくれているが、肝心の画像サイズについてはいいかげんなことが書いてある。リフローで電子書籍をつくっている人間にとっては固定レイアウトの電子書籍の画像サイズなんかどうでもいいことだろうが画像を売っているこっちとしては一大事なのだ。

 では、画像サイズはどうしたらいいのかということについてだが、その正解は「このガイドラインにはどこにもははっきり書いてない」である。「最近解像度のでかい端末が増えてきたからそれに合わせて作ってね」ということくらいしかわからない。電書魂は9.4.2については「リフローの画像について書いてある」ということでHon.jpは誤報だと結論づけているが、では他のところには書いてあるのか? 書いてない。はっきり最小サイズを示しているのは9.4.2だけで、固定レイアウトの説明の方には仮想パネルのことばかり書いてある。つまりドイツ語ソースがそう書いたのはあながち間違いではない。
 「仕様をつくるやつが雑もしくは技術をわかっていない」問題はよくある話なのでいちいち気にすることはない。仕様がはっきりしない場合はこっちが勝手に作ったらいいのだ。画像サイズについても kindlegen というコンバータを通すのはわかっているのだから、その制限についても kindlegen を調べればよい。ちなみに自分は前調べて1200x1920 が最大とか書いたがそれは制限された条件下においての正解であって違う条件では違う正解がある。いちいちここには書かない。

 肝心の画像サイズの件だが、最近富士通のTH90/Tという型落ちのノートパソコンを買った。これはメモリ8ギガで解像度2560x1440のIGZOパネルをもっている。なぜこんなのを買ったかといえば最近作ってる電子書籍の画像サイズがでかくなってきてどうも処理がおっつかなくなってきたからだ。さてTH90/TでKindle for PC をたちあげると去年ひたすら作ってた白黒の電子書籍については心配していたほど見劣りはなかったが、一昨年くらいにつくってたのになるとちょっと画質が荒く感じる。なるほど前は7インチのAndroidタブレットを基準にしていたのでそれだと気にならなかったのが精細なパネルになると気になってくるということだ。
 しかし普通に考えて Amazon が今まで売っていた端末、すでに大量のユーザを抱えている端末を捨てて、高精細の端末向けの高精細な画像「だけ」を要求するだろうか。そんなわけはあるまい。しょぼい端末に対してはしょぼい端末向けの画像、高精細な端末に対しては高精細な画像を用意するべきだろう。しょぼい端末はメモリもしょぼいので画像サイズがでかいと下手すれば数冊でパンクしてしまう。そういうことから考えると出てくる答えもおのずから決まってくる。Amazon が小サイズの画像をつかった電子書籍の販売を制限するとすれば高精細の端末に対して、だ。Amazon は既にiOS向けだったりKF8対応だったりと個別の端末に向けてそれ用のバイナリを用意している。そこで画像サイズによって見れる端末見れない端末がでてくるだけのことだろう。画像サイズの選択はファイルサイズに直結するので画像を売っている人はファイルサイズに神経質であるから今回のことくらいは織り込み済みのことだ。パブリックドメイン売り飛ばし業界では既に「高画質版」などを売っている人もいる。その人に先見の明があったということではなく、顧客満足度を考えれば当然のことで、手間を惜しまなければそこまでできるということだ。