インドにレーというところがある。レーについて書くと長くなってしまうので、ここではインドのヒマラヤ山中の山奥ということにしておく。チベット文化圏の一部で(略
2013年の夏にはそこにいた。なんでそんなところに行ったのかというと、友達のカシミール研究者がスリナガルへ調査にいくので来るならヒマなときにあちこち案内するとか言われてヒョイヒョイでかけていったのだが、ただスリナガルへいくだけではおもしろくないのでヒマラヤ山中のラダック地方を通っていこうとしたからだ。それでインドに入ってからはシムラ→マナリ→レーと数日長距離バスにゆられて行ったのである。
どケチ旅行者なので宿はとにかく安いところを探すのだが、その前にインドに行ったのが10年くらい前でそのころの物価の安い感覚が残っていてとにかく何に金を払うにしても高いという感覚が抜けず、宿選びも難渋したが、数年前までロンプラにのってた安宿におさまった。しかしとにかく安さだけで選んだのでその部屋が埃っぽく、長期間いると健康を害しそうだったが、表のもうすこしマシな部屋に泊まってた自称コリアンが今日出るというのでそこにあとから入るということで話がついた。どうして韓国人と書かないというと英語でしか話をしてないからだ。最初見たとき日本人かとおもったのだが話しかけるとコリアンだと言った。
その日は観光先でたまたま一緒になったドイツ人・韓国人がついてくるのでしかたなく連中をあやつってあちこち見たいところに行ったりしたせいで、普段の寡黙な観光にくらべると格段にベラベラしゃべった日だった。その勢いがのこってか、この自称コリアンともついベラベラしゃべってしまったのだが、妙なところのある奴で、いきなり日本の原発の事故のことに話を切りかえて、しきりに原発について恐怖を煽るような事を話してくる。正直なんだこいつとおもってしまった。しょうがないので「韓国の原発の方が問題が多いだろ」というような指摘から始めて、「日本はいちいち文句つける奴が多くて高速増殖炉をまともに運用できてない間に中国が実用化しようとしてる」みたいな感じに話を広げてさらに北朝鮮をひきあいに出しながら進歩しないと何でもよくならないという方へ話をすすめた。実のところ自分は普段からそんな進歩至上主義でもないのだが、わけのわからない話をふっかけられている以上なんとかしたくなるのが人情でその方へ極端にもっていったのだが、やはりその立場で話をつづけるのは苦しいので、北朝鮮の話を出したのをきっかけに中国と韓国の歴史論争の方へ話を持っていった。韓国人は満洲を朝鮮の歴史的領域だとおもっているからだ。満洲族が中国を征服してできたのが清朝だがそれを中国人がのっとって今では清朝の領域を中国だと思いこんでるというネタと、高句麗が朝鮮半島を侵略したが最後に新羅が全部総取りして今では高句麗を自分たちの一部とおもいこんでいるといるネタをくっつけて、話をウヤムヤにしてみたら、その自称コリアンどういうわけかあなたにあえて今日はよかったとかわけのわからんことを言いだして話がおわった。
あとで見にいったらもういなかったのでとっとと部屋を移動したのだが、宿の人に話をすると、おかしいことを言う。あれは日本人だというのだ。あいつコリアンだと言ってたぞ？ いや日本人だったという。宿の人はパスポートをいちいち記録しているのでまちがえるわけがない。しかし先ほどの満洲・朝鮮史の話の中で相手が韓国人だからとおもってこっちは高句麗・百済・新羅をコグリョ・ペクチェ・シラと言ってそれで通じて話をしていた。特に高句麗が朝鮮半島を侵略した、みたいなネタは普通の日本人の朝鮮理解では理解しがたい話のはずだ。自称コリアンにしては詳しすぎるのである。とはいってもそれなら韓国人なのかというと妙にものわかりのいいところがあってたしかにそういうところはあんまり韓国人らしくない。日本人に会いたくない日本人というのがこういう旅行先にはよくいるがそういうのが英語で避けようとしたけど相手が平気で話してくるのでそのまま続けてみただけなのか？にしては朝鮮に詳しすぎる。
まぁそんな感じで、いまでも日本には原発の恐怖を煽ってる連中がいるが、そういう連中の中にそういうのがまじってるとは囁かれているが、まぁいるんだろうとはおもった(何が?
