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君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

京都市の右京中央図書館の聞蔵IIが明治・大正の紙面を見れるようになっていた

 図書館の予算が潤沢でちゃんと使われている大都市の図書館だと新聞社の過去記事データベースを見れることがある。京都市の条例によると図書館は中央・右京中央・伏見中央・醍醐中央の四つあり、中央図書館だけは分館を13もっているという形になっているが、その右京中央図書館は京北から162号を降りて市街地に突入してしばらく行ったところにあり、また京都市内にある祖母部屋にも近くわりとよく使う。田舎者にとってありがたいのは駐車場があることで、右京区役所と共用の地下駐車場は一時間無料だから便利がいい。

 さて京都に帰ってきて、国会図書館送信サービスを使いに右京中央まで行ったところ、朝日新聞の過去記事データベースの聞蔵II、前は1985年以後の部分しか使えなかったのだが、いつからか明治大正昭和などの紙面も使えるようになっていた。

www.asahi.com

 この料金表をみるとオプションAというくくりらしいのでたぶんこの一括パックでも購入することにしたんだろう。ありがたいことだ。結構値が張るが、これでも大学・図書館向けの値段でお安くしてあり、法人向けは一括で1アクセス7万円らしい。個人で契約しようとチラっとでも思ったが無理だな。

 今日は涼みがてら図書館に行って聞蔵IIをいろいろと検索して昔の朝日新聞を眺めていたが、以前は見付けられなかったことが見付かることに気付いた。聞蔵IIにしても読売のヨミダスにしても全文検索はできず、こういう新聞記事の検索は恣意的なキーワードのフィルタをとおして見ることになるのでたとえばあまり有名でない小人物とかだと見付けられないことが多い。ある記事を読んでいて出てきた人の名前で検索すると、その元の記事がでてこないなんてことはよくある。だから特に戦前の記事について、検索したことだけでモノを言うのは危険なのだが、今回は明治の頃の記事について、昔は出てこなかったことが出てきたので驚いた。明治のころの新聞は薄いから前の方から全文入力しているということだろうか。あまりキーワード化されなさそうな単語なので全文テキスト化されていないと出てこないと思う。(20180805 翌日みなおしたらキーワードに入ってた)

 もっとも明治のころの新聞はまだ乱立状態なので朝日だけみてどうこういうのは危険なのだが便利なのには変わりない。ところで聞蔵IIは検索にかかった記事の順番に移動はできるが、その記事の翌日・前日の紙面へ飛べないのでそれができたらもっと便利だとおもう。UIとしてはヨミダスの方が上だな。毎日がちゃんと明治大正昭和の分をつくってくれたらその方が値打ちあるのだが。全然関係ないが娯楽として明治の新聞を読むなら断然萬朝報がおもしろく、ネタになる事件記事が毎号載ってるのでヒマな人は図書館に行って復刻版を読んでみたらいい。おすすめ。

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