メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

京都で使える大型書店 三つ

 9月頃は京都市バスの一ヶ月定期を買って市内をグルグル回っていたのだが、台風があったりしたせいでそのことをまとめる気にならなかった。それでひさしぶりに市内の書店を回ったのだが衝撃だったのが、京都駅の南にあるアバンティブックセンターの縮小だ。平凡社の中国古典文学大系の普及版平装本の水滸伝を買ったのもここだったし、『水滸伝の世界』を買ったのもここだった。京都の大規模書店の中で専門書が買える数少ない店だったが、今は漫画・アニメの方が売れるということらしい。

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四条烏丸大垣書店

 ということですこし調べたのだが、そもそも書店が大規模ビルに入居しだしたこと自体が新しい現象であるらしい。まぁ、大規模店舗の展開自体がものすごく現代的な事象だといえばそれまでだが、それでも駅前・繁華街のビルなどに店を構えられたのは、バブル崩壊が契機であるらしい。書店は不況でも売れゆきが変わらないということで、バブル崩壊で空いたところへ入れるようになったということだ。しかし不況でも売れゆきが変わらないということは全体の売上もそんなに変わらないはずで、そういうところへ大規模店舗が増えればそれまでの店が煽りを食ってしまうのではなかろうか。ということで 京都でも河原町駸々堂丸善などが2000年代に消滅していった。

 今京都で目立つのは大垣書店で何店舗も展開しており大型店舗も多いのだが、その棚揃えは一般書メインで、専門書はあんまりない。この大垣書店、烏丸北大路に本店があり、記憶ではその場所にあった本屋に結構行った覚えがあるのだが、今大垣書店のサイトをみると本店が今の場所に移転したのは平成4年とある。京都市内の書店に関しての知識を形成したのは中高生のころの1980年代末-1990年代頭なので大垣書店の前の書店ということになる。そのころ星野之宣の『ヤマタイカ』が連載されていた潮出版社の『コミックトム』を毎月買うような高校生だったのだが、その大垣書店の斜め向いの本屋が置いていたので最初はそこで買ってたような気がするがちがうかもしれない。北野白梅町の高校に通っていたので帰りはそこから円町まで歩いて北野中学の南側にあった本屋でバスの時間待ちに立ち読みしていたが、定期的に買うようなものはそこで買っていた気がする。今はそこも廃業してしまった。それはともかく大垣書店は一般向けの書店としてはたくさん本が置いてあるという感じで、今でも棚揃えはそうだ。需要のボリュームゾーンがそこにあるのは当然か。

 もとにもどると、京都の書店で専門書なども置いてある大型店舗というと以下の三つしかない。

 ジュンク堂が開店したのは1988年で、最初に書いた大型店舗の歴史からいうとバブル中にできたものだが、それをいうとアバンティブックセンターも同じころだ。あれ?バブル真っ最中? 先ほどの説明はバブル崩壊後も書店の出店が進んだということの説明なのでこの場合には合わない。まぁバブルのときに大型書店ができて、バブル崩壊後もすぐには影響を受けず今までジワジワと生きのこったというところなんだろう。それまでは駸々堂がよい本屋だったとおもうが、京都に大型書店ができたというので話題になったのは覚えている。丸善の京都本店は一度潰れ、その後、近くのBALにジュンク堂が出店していたのだが、ジュンク堂丸善が合併したときにBALに復活したようだ。組織として連続してるかどうかは知らないのでジュンク堂の別名義くらいにしか思っていないが、専門書の品揃えはジュンク堂なみによい。結局ジュンク堂が本を揃えすぎたせいで一般向け以外のパイを全部取って他の本屋が消えてしまったというところか。京大生協ルネは大型書店としては小さいがもっとマイナーな本が置いてあることがある。上にある食堂とおなじで京大生協の組合員でなくても買える。立命館の図書館にわりと行くので立命館の本屋ものぞいたことがあるが、たいしたことない。他の私大は知らんが似たようなもんだろう。

 この他の大型書店として、大垣書店の京都駅南側の京都イオンの中の店舗があるが、大垣書店のところに書いたように、ここも一般書中心に置いてあって、半専門書みたいなのも置いてある分野もあるが、やはりちょっと専門性が足りない。売れないから切ってあるんだろう。

(20200112 ジュンク堂閉店のお知らせがtwitterで話題になったが、その関連で丸善の跡地にできたのがジャンカラで、BALは1ブロック北だったと知り、そのように書き直した)

なぜ人はジュンク堂書店に集まるのか―変わった本屋の元大番頭かく語りき

なぜ人はジュンク堂書店に集まるのか―変わった本屋の元大番頭かく語りき

  • 作者:渡辺 満
  • 出版社/メーカー: 自由國民社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 単行本

書店員が本当に売りたかった本

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