(20190412 この電子ペーパーの製造者わかったので一番下に追記)
最近あったフランクフルトの展示会に文石科技(Onyx) が出展した "Youngy Boox" が一種の衝撃を電子ペーパーに興味のある人達に与えているようだ。
しかし、これは別にいきなり出てきた情報ではない。やっと出てきたのかというのが正直なところだ。これはカラー電子ペーパーではなく、eInk社(台湾 元太科技)の白黒の電子ペーパーの上にカラーフィルターをかけたものだのようだ。文石科技は昨年から教育方面への事業展開を目指しており、その目玉としてこの色つき電子ペーパータブレットが位置づけられていた。たとえば昨年の2017年年末のこの記事。
曖昧ながら、電子ペーパーの上に彩色モデルをのせて技術的限界を突破したみたいなことが書いてある。また、今年2018年5月のこの記事。
BOOX智慧教育装备展:打造国际一流护眼电子书阅读器新浪广东新浪网
ここでも文石科技の「彩色電子書包」としてカラータブレットが紹介されている。子供の近視が増えているしスマホは目に悪いという認識が国の側にあり、その対策として文石科技がこういう策を提案していたということのようだ。Boox Note とかの端末情報しか見てない人には見えてない情報だったかもしれないが、たとえば eInk 社が電子ペーパー看板に力を注いでいたように、文石科技は教育方面への事業展開を摸索していた。気まぐれで移り気な個人消費者相手の商売だけだといつコケるかわからない。こういう事業で手堅く稼ぎたいというのは事業をやってる人なら誰でも思うことだろう。例のYota3でオオゴケしたYotaも教育用端末を生産中だ。というわけで、文石科技もそれこそ社運をかける勢いでこの計画に注力したようだ。このフランクフルトの展示会の衝撃でいろんな情報が出てきた。簡単にまとめると
このカラータブレットのために文石科技の技術者が総動員されたので他の開発に力が注げなかった
ものすごくカネかかっていて高いので一般向けの販路には乗らない(とても採算がとれない)
10.7インチ300ppi電子ペーパー(事実だとすれば今まで商品化された300ppi eInk Carta の中で最大) を採用しているが、カラーフィルターが4ピクセルで一つなので事実上150ppi表現になる
誰もこの技術の詳細については知らないので何とも言えないんだが、反射型液晶の地の部分が電子ペーパーになったようなものじゃなかろうか。eInk社の ACeP が電子書籍端末向けに使えるようなものならそれが採用されていただろうが、まだ遅いので閲覧には向いていない。ということでこのカラーフィルター形式となったようだが、今回ものすごく注目を浴びたように、需要はものすごくあるのでひょっとしたらこういう折衷方式が発展するかもしれない。世の中何がどう転ぶのかはわからない。
(こちらも参考にどうぞ)
(20190412 答えです)
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