日本の本は中国由来の縦書き右綴じ(左開き)と西洋由来の横書き左綴じ(右開き)がある。本を画像のままスキャンしたものをパソコン・スマホなどの画面上で読むとき、「マウスでクリック」「指でタッチ」してページを戻ったり進めたりしていくインターフェースをつけると直感的で便利だが、西洋のものは左→右の横書きなので、ページ進行方向がその方向で固定されていて、左側に戻る機能、右側に進む機能を配置することが多い。であるから西洋のアプリで日本・中国の右→左の縦書きの本のPDFを読もうとすると、そのあたりが直感に反するのでストレスになることが多い。それに右→左のものだけを読むわけではなく、左→右のものも読むので、一方向に固定すると不便なことになる。進行方向を自分で割付できるアプリだと上下にページ進行方向を統一していた。「上」で戻る、「下」で進む。これだとそこまで直感に反しないのでよい。この上下にするのは左右が自由にできないから便宜的にそうしてるだけで、ページ進行方向を自在に切り変えれるなら何も問題はない。
さて国会図書館デジタルコレクションのUIの大更新が去年2018年10月にあったが、その進行方向が左→右固定なのが一番不満だった。日本でも横書きの本が増えてくるのは昭和10年代からで、戦争中でも横書きの本は出ているが、国会図書館デジタルコレクションの本で公開されているものの多くは縦書き右→左なのになぜそこで固定されているのか。というのが不満だったのだが、この3月8日に機能が追加されてページ送り方向をトグルできるボタンが追加されたらしい。こないだ見てて気付いた。
「コマ送り」という名前がついてるのは、マイクロフィルムで撮影したときの「コマ」の意味だろう。画面に写されているものがページとは限らないのでコマ送りとなったのだろう。このボタンで自分で進行方向を切りかえれるようにしたのは大正解。一番よいのは縦書きか横書きか判別して自動で切り変えればよいのだが、「コマ送り」の件でもわかるように国会図書館で扱っているものは本だけではないので判別できないものもある。そこでどっちがどっちかわからないくらいなら、最初から自分で進行方向を決めれる方がよい。すばらしい。 SKKみたいなアイデアでよい。操作できるところが増えすぎてもユーザーに使いこなせなくなるだけだが、このページ進行方向というのは本の基本要素なので、画面上で本を再現するならなるべく早いうちに押さえておくべきところだった。何はともあれよかったよかった。
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