Plastic Logic
さて事情通の Good E-Reader が昨日こういう記事を書いていた。
例の 折衷式カラー電子ペーパー Youngy Boox がつかっている色付技術は Plastic Logic のものということだ。Youngy Boox については以下の記事を書いた。
従前の説明では下地にeInkの白黒画面を使い、その上にカラーフィルターを置いて4コマ(赤青緑と明るさを補うための白)で色を表現するということで 300ppi が150ppi になるということだったが、改めてググってみると Plastic Logic 自身が Youngy Boox について説明していたのをみつけた(今頃) (記事は去年2018年の10月30日付)
Plastic Logic 自身の説明では、150ppi の上に上記のカラーフィルターをつかうので 75ppi になる、とある。なーるほど。それであんまりすっきりしない説明だったわけだ。そしてこの 75ppi の技術であるが、既に2011年には完成していたようで、こんな紹介記事→Plastic Logic color flexible e-paper revealed - SlashGear もあり、また Youtube にまで映像があがっていた。
この映像でわかるカラー電子ペーパーの色味は Youngy Boox に近い。結局自分では発光しない電子ペーパーの上にカラーフィルターをのせているので努力に限度がありどうしてもこういう地味目な見た目になってしまうんだろう。そこは好みによるが重要なのは切り替えが結構早く、なんとか電子書籍に使えそうというところか。もっと重要なのはこれ2012年頃の成果だということでそれから7年ほどたっている。どれだけ進化があったのか。その間にeInkの方は300ppiに到達したのだが Plastic Logic がそれについていけてるのだろうか。
eInk 社とPlastic Logic の関係は?
よくわからん。Plastic Logic 社のサイトの History をみると、当初は湿式の電子ペーパーの研究をしていたが途中から eInk 方式になっていて "著名EPD企業"とともに仕事することになったとある。つまりは eInk 社の特許技術をつかって電子ペーパーの生産を目指すことになったということだろうか。
最初にはった Good E-Reader の記事によると、電子ペーパー技術の重要な要素である画面更新で E-Ink Regal を使わず、Plastic Logic 自身の waveform を使っているという。ということはやはり eInk 社の基礎技術の上に PlasticLogic 自身の技術を組みあわせて作りあげたものということになる。ということは製造ラインが eInk社 とは別になるので eInk 社の 300ppi に追従できてるのかわからない。また、アジアに新工場をつくり、端末を最後まで工場内で作りあげて出荷する事業モデルを考えているという。今の電子ペーパー業界の工場になっているのが Netronix ( 台湾 振曜科技)で、現状は Netronix の進捗次第で出荷が遅くなったり早くなったりするくらいなのだが、そこを目指しているということだ。
あるいは、Plastic Logic の技術はちょっと暗いのと精細さに欠けるということで2012年ごろは受けず、eInk社がカラー電子ペーパーの開発を継続したが、結局電子書籍端末に使えるようなものができず、またPlastic Logic に御鉢がまわってきたということだろうか。そうなると、日本のNECの有機ELの技術を買ったサムスンが有機ELでスマホのシェアを取ったものの、テレビの分野では安定して大きい画面を作ることができず、LGのカラーフィルター式色付有機ELに負けた事に似ているかもしれない。
明日からの香港のデジタル製品展示会には注目
明日13日から香港でデジタル製品展示会が開かれるが、毎年そこで文石科技(広州 Onyx) の新製品が発表されている。そろそろなにか出てくるかとおもっていたところ、Good E-Reader からこの記事が出てきた。ということはつまり明日からの展示会でカラー電子ペーパーの端末が出てくるということだろうか。これは見物だ。 (2019/04/15 そういう情報は何もでてきてない)
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