口袋閲
香港あたりから電子ペーパースマホの kingrow k1 がでてきたニュースが最近流れたが、中国内でも電子書籍プラットフォームの閲文集団が「口袋阅」(口袋閲、口袋はポケット)というリーダー使用を前提とした電子ペーパースマホを出してきた。4Gスマホで予定価格は899元(約14870円 20190430Googleのレート)、120gと軽量で、5.2インチ300ppiライト付き電子ペーパーなのはいいが、メモリまわりが1GB+8GB(899元)/16GB(1099元)というから値段なりにかなり性能は絞ってきている。
5月中旬発売ということだ。
ちなみに300ppiの5.2インチ電子ペーパーは製品として出てくるのは初。300ppiだと確実に眼福なのでそこはよいところ。
中国Yota の影
最近 Yota の倒産のニュースが流れたが、この電子ペーパースマホっぽいものの基礎となる話はすでに去年のニュースで流れていた。Yotaと中国の電子プラットフォームが協力して云々という話である。しかしその報道がでてからしばらく、Yota3で必要なだけの金がかせげずYotaPhone2の負債が返せないことが明確になり、倒産の方向へ向かって動きだし、去年後半で順次解散していったらしい。ということで Yota3+ の発表もその過程での最後の悪あがき、もしくは我々を釣る疑似餌だったということのようだ。しかしこの口袋閲にその人脈が続いていることははっきりしている。たとえばこれ、口袋閲のニュースででてくる写真だが。
ここでスーツ来て紹介してるおっさん、よくよくみると、光頭強などと渾名されてた中国Yotaの CEO だった張光強である。思えば、Yota3 は"閲読体験"を過度に重視して電子ペーパーの可能性を制限した失敗機だった。Yota3 はこいつのために殺されたようなものだが、しかし Android に Samsung の有機ELを前提としたパクり always-on-display の機能が来た時点でスマホ界における電子ペーパーの敗北は明らかで、その流れの中で"閲読"に振ってみたら大コケしたというだけのことかもしれん。実際彼の目指す方向だとこの「口袋閲」のような形態にしかならないだろう。ま、結果的に彼の思うような所に落ちついてそのような製品がでてきたということになるが、YotaPhone にとっては災難だったな。
さて電子ペーパー端末を商業ベースに乗せることに成功した Kindle と、最近台頭してきた電子ペーパーAndroid端末界の文石科技(広州 Onyx)・博閲科技(深圳 Boyue)、その他中国だけで活躍している電子ペーパー端末がたくさんある中で、口袋閲が生きのびることができるのか、なかなかの見物ではある。かなり生存空間小さいんじゃないかな。
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