メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

世界の気象情報と降水量

ftp://ftp.ncdc.noaa.gov/pub/data/noaa/
ここに国連のWMO世界気象機関関係の観測資料がアメリカ様の手でまとめてある。
しかし各国気象機関の観測資料がそのまま入っているかといえばそうではなくある程度集約されたり省かれた形で入っている。特に降水量。
たとえば日本の気象庁のものでも降水量は6時間ごとに集計された形で入っている。中国も気象機関の方では毎時降水量を計測できているはずであるが、そんなデータの欠片もない。そもそも気象データの送信形式の一つである METAR には降水量が入っていないし、 SYNOP には降水量を送信するしないというフィールドがあったりする。世界的にみれば日本は多雨地域になり雨には敏感だが、他の国では降水量をチマチマはかることにあまり興味がないのかもしれない。
ここの直下におさめられている ish というデータのフォーマットをみても降水量はオマケデータあつかいである。

さらに一階層降りたところにまとめてある isd-lite の方が人間の目には読みやすいが降水量を知るには問題がある。
ftp://ftp.ncdc.noaa.gov/pub/data/noaa/isd-lite/
isd-liteでは降水量は1時間毎6時間毎のフィールドにおさめられているが、たとえば ish 形式での日本のデータの集計のされかたは6時間置きに、6時間集計 - 12時間集計 - 6時間集計 - 12時間集計という集計のされかたをしている。これが isd-lite になると、6時間集計のところだけ入り、12時間集計から逆算できる6時間はすっぽり抜けることとなる。機械的に抽出しているだけなのがよくわかる。

もっとも気象機関が降水量に不感症なのかといえばそうではなく、こういう気象データの送信形式が航空関係の都合で決められたからなのだろう。METARの日本語訳名は「定時飛行場実況気象通報式」だし、このishデータのIDの最初のものはアメリカ空軍の認識IDであったりする。だから降水量をさしおいて「視界」とか「雲高」なんてのが入ってるんだろう。

あとこれで初めて知ったが、南極点にはアメリカのアムンゼンスコット基地があり観測データを送っているが、標高2830mもある。そら遭難もするわ。