メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

電子ペーパーと有機EL

電子ペーパー有機EL

 一時期電子ペーパー端末を盛んに買ったりブログにいろいろ書いたりしていたが、幻聴とか出てからほぼ書かなくなった。しかし自分が買ってたころよりも端末の性能があがり、かなり実用的になっているらしい。

 しかし自分は単に家庭を持っていないから余分な物を買えるだけで、生活自体はかなり出費を抑えたものなので電子ペーパー端末も数個買ってしまうともうそれ以上買うような余裕はない。その一方で、有機ELの端末がかなり安くで買えるようになってきた。ということで2022年2月にイオシスが22222円で Galaxy Tab S5e を売ってたのでそのときに買ったがそれからそればかり使っている。電子ペーパーの Boox Nova Pro はスイッチが壊れてしまったのでいちいち起動させるのが面倒になり使わなくなった。ということで比較していこう。

有機ELの優位と短所

 有機EL端末の優位だが、タブレットとして液晶とはりあってここまで来ているのでCPUの性能も高く反応がよい。また画面の精細さもかなりあって映像や画像など見るには十分すぎるくらいきれいである。したがって、読書端末としてみると pdf とかを何個もみたりするときに楽だしページめくりも迅速で、pdf の指定の場所へすぐ動けるあたりもよい。

 しかし読書端末としてみると当然ながらその長所が活きてこないところもある。まず読書端末は一点を凝視するので、有機ELや液晶のような発光体だと目への負担が大きい。有機ELは黒地に白字で表示させると放電を減らせるのでそうしてみているが、それでしばらく見るとどうなるかというと、目をつむったときに文字列が残像として残るのである。そして目がチラチラしてくる。長時間凝視するとよくないわけだが字を読むというのは凝視することなので、結果的にそうなるわけだ。

 あと液晶と有機ELでは目の使い方が違うっぽくて目の力のかかり方がかわるように感じる。その原因はおそらくカラーフィルターによる視差だと思っていて、だから有機ELの方がよいと思っていたのだが、こうして使いこんでみると、慣れてしまえば大差ないようにも感じる。それよりは発光体の負荷の方が大きく、むしろ表面処理がよくできてる液晶の方がよいのではという気もする。とはいえこういう思い込みは実売して確かめられることではないのでわからない。

電子ペーパーの優位

 こうしてみるとやっぱり電子ペーパー端末の方が目への負担はすくない。発光体ではないから目へのストレスが少ないのだ。しかし結局は光を通してみるので見すぎると残像が出るのはかわらないのだが、やはりそれも発光体と程度が違ってくる。

 その他に画面の細かさも実は電子ペーパーの方がよい。「解像度」で比較すると電子ペーパーについては300dpiが上限とかいう数字が出てくるが、現実にはもっと細かい。電子ペーパー端末がいう「解像度」は制御できる単位の細かさであって、現実の粒子の細かさではないからである。電子ペーパーの原理などを調べると、インクの粒子をおさめるカプセルがありそのカプセルの図が説明によくつかわれているがそのカプセルの単位とあまり関係なく制御されている。つまり黒白の境界は白黒インクの粒子できまる。要は画面で環境光を反射して字や線などが見える最小単位は「制御できる単位の細かさ」を示す解像度ではなく、そのインクの粒々一個一個になる。

 これについてだが、電子ペーパーに表示される字などをみて、前からその説明につかわれる画素密度などに比べて精細にみえるような気がしていたのだが、カラーフィルター式のカラー電子ペーパーがでてきてその顕微鏡写真をみながら興味のある人があーだこーだと言ってるときに気付いた。カラーフィルターの単位に比べて電子ペーパーの白黒の粒が細かすぎるのである。

 凸版印刷のサイトにある説明画像はこれ↓

https://www.toppan.co.jp/denshipaper/img/subpage01-img01.jpg

 つまり、液晶や有機ELは人間が設計した格子がそのまま画面の粒の細かさとなっている。電子ペーパー端末は制御できる格子の粗さは液晶や有機ELとかわらないのだが、それが表現される粒子の粒はインク粒子なので物理的な細かさははるかに細かく表現できている。なぜ電子ペーパーの方が目にいいのかよくわからんかったが、かなり精細な有機ELとか持ってみてわかったのは、物理的な細かさでは電子ペーパーの方が圧倒的に細かく、凝視に耐える細かさを持っているからだ。実際に液晶や有機ELを凝視すると格子が見えてくるが電子ペーパーはそれがない。液晶とか有機ELを睨みつづけると目がチラチラしてくるのもその格子が見えてくるのが原因だろう。あんまり細かい表示をするには向いてないということかもしれない。

反応のいい電子ペーパー端末

 となると待ち望まれるのは反応のよい電子ペーパー端末になるがどうも最近の電子ペーパー端末は性能を上げてきてるらしいので、最近出たのを買えばよいことになる。昔の電子ペーパー端末は長時間電池が持つのを売りにしてたのでなかなか性能を上げづらかった。ようやくなんとか使えるのがでてきたということでめでたいめでたい。