突如登場した新カラー電子ペーパー
Good E-Reader でeInk社(台湾 元太科技)の新しいカラー電子ペーパーと称するものがでてきた。
この2019年11月28日に東京でおこなわれたワコムのイベント ( Connected Ink 2019 )で紹介されたらしい。これについては今のところ Good E-Reader くらいしか詳しい情報がない。Good E-Reader は長年電子ペーパーに関わっているのでその点での信用はあるが、情報の細部については案外雑なので情報源としては微妙なところがあるので公式の発表を待ちたいところだが、とりあえずは Good E-Reader の書いてるところをまとめておく。
TFT なのかeInk社の電子泳動方式なのか
まず一番肝心なところがよくわからない。記事の中で TFTと書いているところがある一方であたかも在来の電子ペーパー技術のように書いているところもある。たぶんTFTというのはTFT液晶のことではなくて、薄型トランジスターで制御するということだということにしておこう。Youtube の映像をみると手の影が黒くなっているので画面は発光してなさそうだ。
プリントカラー電子ペーパー技術?
説明のかぎりでは赤青緑白を組みあわせて色を作り出す方式というところで、発光体(eInk社の電子ペーパーの場合泳動体のカプセル)の上にカラーフィルターをのせる方式と同じだが、そのフィルターの部分に工夫があるという。これもいまいちよくわからないところなのだが、今まであったようなガラスのカラーフィルターを通すものではなく、eInkフィルムの上に直接印刷して色付けする「プリントカラー電子ペーパー技術 (Print-Color ePaper technology)」を採用しているという。よくわからないのだが、そういうのが可能ということにすると、電子ペーパーの粒の上に色塗って赤青緑白を表現しているということになる。となると今のeInk社の電子ペーパーは16階調なので赤青緑の組み合わせだけをみると16の三乗で4096色となる。実際、発色可能な色は 「数千」と書いている。しかし明度を調節する白つまりなにも色塗ってない部分の寄与はよくわからんのだが、実は8階調で 8の4乗色ということだろうか。よくわからん。ガラスのカラーフィルターは液晶やLGの有機ELでつかわれているが、これは発光しているからそれなりに見えるので、発光しない電子ペーパーでやるとちょっと暗くなる。あと、ガラスのカラーフィルター方式のカラー電子ペーパーはプラスチックロジック社(ドイツ)が実用化してるので、eInk社としては公式にしづらいところもあるんだろう。あるいはそのまま出そうとすると特許を買うハメになるのかもしれない。
さて心配の色具合だが、映像をみるかぎりではなかなか枯淡な感じの発色でわるくない。プラスチックロジック社方式のカラーフィルターの電子ペーパーも実物をみたらまぁこんなもんかという感じだったが、並べると違うのかな? 前にも書いたがカラーの場合目が勝手にいい感じに錯覚してくれるので画素数が粗くてもいける。しかもワコムのイベントで出てきたものなのでワコムとの協業という面もあるらしい。2020年後期から出荷ということだがまぁ今回が観測気球というところなんだろうか。とりあえず出してくれるのを期待する。
ちなみにフィルター方式ではない真のカラー電子ペーパーである ACePのキットの発売はもう開始してるようだ。
(20200502 実製品の動画の記事はこれ)
ソニー SONY デジタルペーパー (A4サイズ) DPT-RP1 [国内正規品]
- 発売日: 2018/07/24
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コクヨ デジタルノート CamiApp S メモパッドタイプ iOS版 替芯付タイプ NST-CAS-P5-AM
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