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君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

早稲田古典籍には断わられた

君見ずや出版 - KimiMizuya -
 国会図書館デジタルコレクションは規模はすごいが品質がひどい、ということは何回も書いてます。まぁ国家公務員様も人の子だし予算の縛りもきついし公開入札でしか業者をえらべないので、実績作りを優先したりダメ業者に丸投げしたりとかいろいろあるのかもしれない。でも同じ国会図書館でも児童書専門の図書館の方のデジタル化は全部カラーで画質もよいのだからやればできるのはまちがいない。やはりどこかおかしかったんでしょう。

 その一方で、品質もすぐれ、規模も大きいのが、早稲田大学の古典籍総合データベースです。
古典籍総合データベース
 優れた点を列挙しますと

  • すべてカラー
  • PDFも用意してあってまるごと落とせる

 検索性がよくないのが玉に瑕ですが、「ちゃんと読める」「鑑賞に堪える」画質のものが公開されているのでその点はすばらしい。またその画像の利用も厳格で、出版放映などについては申請が必要で、勝手に使用した場合「断固たる措置をとる」と明言しているあたりもすばらしい。

 すばらしいすばらしいというのも単純に読むだけの立場でこそ言えること。国会図書館がダメなら早稲田古典籍があるというだけの話だ。しかし、これをつかって何かしようとたくらむ立場になるとそうもいかない。

 ある江戸時代の本からある部分を抽出して電子書籍をしたてようとした事があったんですが、国会図書館のものは欠落が多い上に白黒画質でやっぱりどうしても使えない。その一方早稲田大学にも同じものがあり、しかも完本でらくがきやよごれもない。いろいろ考えたあげく、今年の一月くらいに無性にやりたくなってメールでどうやって申請したらいいのか問合せてみたところ、こういう返事が来た。

お申し越しの件、当館所蔵資料は電子書籍として
販売はいたしません。ご了承ください。

 まーそうか。それが普通か。

 国会図書館のように「好きにつかってくれ」とやってしかも「利活用」まで促している方がおかしいのか。まぁ、もっともそれも国家公務員様の「実績づくり」の成果であるとしたら、少々画質がわるいくらいのことに文句を言わずに、その穴ができたのを好機として、やることをやるのがいいんだろう。