メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

横流しの商道徳

 国会図書館デジタルコレクションの画像を加工して売ってるだけの身には痛い文章をみつけた。

国立国会図書館デジタルコレクション - 人間万事金の世の中 : 金もうけ金ため百ケ条

第九章
 金をまうけるには、己の爲めのみにてはなく世のために益となるべきものを人に與ふることを心がけざるときは、その利益決して多からぬものなり。例へば、腐つたる魚肉まだ熟さぬ果物を人に賣りつくれば、一時は取捨べき代物にて代價を賣るゆゑに、一寸おもふときにはたゞ儲かるやうに見ゆれども、此事はひとり罪を法令に得るのみならず、却て己の大損となるなり。何故なれば一たび右樣の如き代物をはめらるゝときは、最早彼店に在る代物は皆例の如き惡しき代物ゆへ二度とは買ふまじ、とこりるにより、今度はたとひ好き代物を並べおくとも振反て見るものだにもなし。又春畫や博奕道具の如き賣買禁止の品を賣れば、他の品より幾割か利の多きやうにおもはるれども、是等の事は決して永世の業とはなしがたく且第一罪を法律に得ることなれば、その代物を没収せられ且罰金等の所分を受ねばならぬゆゑ、決してまうけが儲けとはならず、畢竟その身の破滅となるなり。其他密賣淫を稼げば攫取のやうに見ゆれども、罪人となるはいふまでなく且大切なる身体に黴毒てふ恐るべき病氣を受けてうまれもつかぬ不具者となり、果は顧みるものさへなきに至るべし。是等の渡世は、何故にかゝる結果をなすぞといふに、皆世に害あるのみにて人を益するといふことは露ばかりもなきゆへに、到底己もまた損を受くるなり。されば金を儲るには、人を益して己を益すること肝要なり。法律をくゞり道徳にそむき己一人を益せんとおもふは、畢竟骨を折て損を招くものなりといふべし。笑止のことにこそ。

 さてちゃんと「世のために益となるべきもの」を発掘できているのか。「腐つたる魚肉」や「まだ熟さぬ果物」を売っていないか。著作権切れというルールにのっとった商売だけにルール違反はないか。気をつけねばならぬ。

 まぁそれ以前に生活できる水準の金もかせげてないのは問題ではありますが。