メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

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 今週はたったの2冊。まぁ低調な週だった。KKBC をつかって江戸時代の本をテキストおこししたのを出そうとしたりしたのがわるくて今週の内に終わらなかった。ある程度読めるのは読めるのだが、こうしてテキスト起こししようとすると読めないところでつまってしまい時間内におわらない。しかしこの方式を応用すれば英語の対訳とかもできるのでそこそこの需要はありそうだな。まぁこの週末で仕上げて来週紹介することとしよう。

 大日本家庭料理研究会『手軽に出来る支那料理と西洋料理』昭和12(1937)  いまの日本の料理は西洋・中華と在来の料理の折衷でできてるのですがその起源が大正昭和のこのあたりにあります。で、その折衷した家庭料理を広めた人の一人が小林定美という人です。大日本家庭料理研究会は小林定美という人の主催したところでほとんどイコールのようなもんですが、しかしこの小林定美の没年がよくわからない。料理本を専門に出してる柴田書店とかいうところのブログには昭和5年で姿を消すみたいなこと書いてありました。なら昭和12年にでてるこれは最後にでた本で小林定美の家庭料理の決定版でしょう。中華料理というのはそれまで中国の料理人の秘密主義であんまり作り方が漏れてなかったところをわざわざ料理の材料売りから入って作り方を会得したとか書いてありますな。それが本当ならば、そもそも日本の中華料理がひろまったのもこの人が魁で広めたということになります。はしがきには「簡易自由を旨とし、西洋支那共に本質を失はざる程度に、改良したるもの」とあってそもそも折衷した料理というものがこの人の発明なのではないかとおもわなくもない。

手軽に出来る支那料理と西洋料理

手軽に出来る支那料理と西洋料理

 読売新聞社社会部『職業婦人を女房に持てば』昭和10年(1935)  共働きの夫婦に取材した記事をまとめたもの。「花子とアン」の村岡花子夫妻のインタビューも入っているので作ってみたんですが、もう終わるのに作ってどうすんだという感じですな。結果として、共働きでどうやったら夫婦仲がうまくいくか、みたいな本になってます。あぁそう、おもしろい指摘があった。日本の女は子供を独り占めする傾向がある..みたいなことが書いてありました。昔からそうだったんですね。

職業婦人を女房に持てば

職業婦人を女房に持てば

 どうも今週の本は一冊も売れそうな気配がない。無駄骨か... まぁそもそもこの事業自体が無駄骨なんだろう。といっても出版数が減ったほどには売上が減っていないので発掘バイトなんてやめて金がなくなるまでこれに注力した方がいいのかもしれない。そもそも発掘バイト、趣味としてはいいが、金をためる手段としてはよくない。