メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

青空文庫で小銭稼ぎ

 青空文庫のテキストは有象無象のボランティアによって日々作成されているものであり、その品質や底本の選択にはかなり問題があるとおもうが、そういう高い視点からみるのではなく、もっとゲスな視点から見ると宝の山にみえてくる。ゲスな視点というのはつまり銭の種として見る視点だ。
 青空文庫のテキストについては青空文庫収録ファイルの取り扱い規準に尽されている。


著作権の切れている作品

あなたは、ファイルを開いて読むことができます。

ファイルは、有償であるか、無償であるかを問わず、複製し、再配布することができます。

複製、再配布に先立って、ファイル形式を変換したり、ルビや外字、傍点などの注記形式を変更することも可能です。
著作権法第二十条第二項四に適合する範囲で、異なる底本に合わせて字句をあらためたり、旧かな、旧漢字を現代表記にあらためるといった、用字用語の書き換え、注記の削除などもできます。

著作権法第二十条第二項四】:前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変

これらのいずれを行うにあたっても、あなたは青空文庫側に対価を支払ったり、了解を求めたりする必要はありません。

ファイルには、作品名、著者名、翻訳者名、底本などに関する情報、入力者名、校正者名、ファイルが作成された日付、修正された日付、「青空文庫作成ファイル:」以下の由来に関する注などが記載されています。
複製、再配布にあたって、青空文庫側は、これらの情報が削除されないことを希望します。
底本や表記の変更に際しては、どの底本に基づいたファイルにどのような変更を加えたかという作業履歴が明記されることを期待します。

 青空文庫には二種類の文章があつめられているが、その一方の著作権切れのものについては「有償であるか、無償であるかを問わず、複製し、再配布することができます」と書いてある。つまり売っていいと言っているのだ。さらにテキストについている注記などについても「削除されないことを希望」「どのような変更を加えたかという作業履歴が明記されることを期待」としているから、きれいさっぱり削除してその痕跡も残さなくてもよいわけだ。

 ほほぅ..... これは。これは。銭の匂いがプンプンするでぇー

 人にタダで働かせたその成果に対してこの扱いはあんまりだとおもうが、これも信念によるものであるらしい。
青空文庫からのメッセージ 本という財産とどう向きあうか

 けれどもう一方で、死んだ書き手は二度と作品を生み出さず、燃料を注ぎ込んだとしても、エンジンはもう回らないのも事実です。
 ならば、誰かが複製を作ったり、ネットワークで送信できるようにすることを阻んでも、文化の創造には寄与しない。むしろ制限はより早く解除して、たくさんの人が、ただ、もしくはできるだけ安い値段で作品を読めるようにした方がよいという考え方も成り立つでしょう。

そらもよう

17年間で、高度成長と呼んでもよさそうなくらいに、規模はずいぶん大きくなった。しかし、誰でも読めるようにネット上に本を公開していく、という青空文庫の本質が変わったわけではない。本を紙から、物理的な制約から、権利やしがらみからも解き放ち、青空に積み上げていく。それは、昔も今も変わらない青空文庫の基本だ。

 ほほぅ..... さすが人にタダで働かさせるだけの事はありますね。文化ねぇ。お話がやたらあつめてあるだけにしかみえませんけどねぇ。お話は基本的に「インスパイヤ」と車輪の再発明でしょう。老害がいつまでも幅をきかせていたら.....まぁそこはおいておいて、つまり青空文庫は一種の宗教団体のようなもんですな。御神体は信者の無償奉仕でつくられたテキストの山であり、御神体の神徳は無制限に分与され、無縁の衆生もおこぼれにあずかり、随喜の涙にむせぶことしきり。ありがたやありがたや。

 ではおこぼれにあずかって、小銭稼ぎでもしようではないか!

 テキストであるからこれで楽して小銭稼ぎするなら電子書籍だ。テキストをちょっといじれば電子書籍のできあがり。しかしひとつひとつそのままやるのは芸がないし、Kindleなどでは既に無償で青空文庫のものが売られているので競争力がない。ならちょっと色をつけて全集だ!


 とおもったら既にそういうことをやっている人たちがいた。青空文庫のものを集めただけなのに堂々と「大全」とか「全集」とかつけて売っている。あぁ...すごい。これくらい面の皮が厚くないと世の中生きていけないのか...おれは営業には向いてない....
 しかもそれを買っている人がいる......!

 ということでみんなドンドン同じことをやって、この商売つぶしてやったらいいとおもいます。


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 しらべてみたら、こういう青空文庫をそのまま売ってる中では、ファイルをただで配布しているという意味で良心的な方の曇天文庫であっても、注記類はごっそり削除し、最後にこっそり青空文庫と表示している。なるほど。なるほど。