メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

新刊案内

君見ずや出版 - KimiMizuya -
 寒い寒い。気象庁の観測をみていると京都の山奥はのきなみ氷点下だったようだ。そら寒いはずだ。さて今週は4冊つくったがまだ一冊も売れてない。うーむ。難しいな。売れないなら次はドンと趣味に走ってやる。

 歌川広重『広重魚尽』江戸後期
 浮世絵にはこんなのがあるよということで出してみたけどまぁ歌麿の『画本虫えらみ』同様あんまり売れないんだろうなきっと。広重はいわずとしれた浮世絵の代表作『東海道五十三次』の絵師ですね。画題と狂歌の組み合わせは...まぁ現代人は読めないから興味ないですわな。


 門馬直衛『古代音楽集』(春秋社世界音楽全集90)昭和11年(1936)
 門馬直衛(1897-1961)による西洋音楽史を意図してつくられた楽譜集。ギリシアから18世紀までの音楽史を楽譜の形で追っている。さて楽譜はKindleの端末で読めるんだろうか。是非サンプルで読んでもらいたい。


 警視庁警務部企画課『警視庁柔道基本 捕手の形』大正15年(1926)
 大正末、講道館山下義韶(1865-1935)らの尽力で制定された警視庁の柔道を写真で図解したもの。もともと江戸時代から捕手術として柔術系のものがあり、明治になってからは古流柔術諸派を統合したものが行われていたが、講道館柔道が入ってきてとってかわった。これはそれが形としてまとめられたもの。

 杉野龍蔵『育児読本』大日本果汁 昭和11年(1931)
 マッサンの竹鶴政孝ひきいる大日本果汁(ニッカ、のちのニッカウヰスキー)が昭和11年に出したニッカのリンゴジュースの販促本。杉野龍蔵(1897-1941)は小児科の新進気鋭の医者で、ドイツで実証された「りんごのすりおろしは子供の風邪にきく」という新知識をとりいれて紹介していた。ちなみに竹鶴が余市に大日本果汁を設立したのが昭和9年でリンゴジュースを出荷しだしたのが昭和10年。妻のリタをよびよせたのが同年9月で、この本はその次の年に出ているから、この本は販売促進という面の他に、あるいは竹鶴夫婦の将来の子育てのための面もあったのかもしれない。しかし二人の間にはついに子供ができなかった。


 うーむ。しかしなぜAmazonパブリックドメインのものの利益率を35%に押さえるんだろうか。もうすこし上げてほしい。