メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

Ingressでレベル8になる

 IngressとかいうGoogle様謹製の地図ゲームをやりつづけて一ヶ月半、ついにレベル8になった。

 このゲームはGoogle地図の仮想レイヤーの上にあるポータルという名前のポイントを取り、その間をつないでリンクを張り、コントロールフィールドという名前の三角形をつくるだけのGPSゲームである。ポータルを取るにはその場所までGPS情報をつかって実際に近づき、レゾネータという架空の棒を8本刺す。

 Ingress世界は緑と青の2大陣営に分かれており、プレイヤーはそのどちらかに入ることになる。適当なストーリーが付与されているのだが、この設定に何も意味はない。それは、緑と青のどっちに入ってもやる事はまったく同じであることからもわかる。一応ポータルなるものは、エキゾチックマターとかいう最近発見された秘密のエネルギーが発生する場所で、これをどんどん開発していこうというのが緑であり、コントロールしていこうというのが青なのだが、その青のポータルであっても緑のものと同様に仮想レイヤー上にエキゾチックマターをまきちらしている。「ハック」という行為(具体的にはボタンを押すだけ)でポータルからゲームでつかえる道具がでてくるのだが、緑も青も同じようにでてくる。要は真面目に考えるだけアホということだ。一応青はレジスタンス、緑はエンライテンドということになっているのだが、陣営が違う以上の違いはないのでこの文章では以下青、緑とする。

 ポータルなるものは名所旧跡らしいのだが、具体的には偶像画像であればよいようだ。エキゾチックマターはつまりは偶像崇拝エネルギーなのだろう。人類の想像力の具象化したものということか。もしくはアートの力か。ポータルの申請ができるらしいのだが申請はまだしたことない。
 このゲームのプレイヤーにはAPというポイントが付与され、一定の条件を越えるとレベルが上がっていく。レベル8に到達するとゲーム世界でできることは揃う。8から上はあんまり実用的でない能力が増えるだけだ。レベル1のプレイヤーはレベル1の武器とレゾネータを扱える。レベルが上がると武器とレゾネータのレベルもそれにつれて上がるのだが、武器もレゾネータもレベル8までしかない。レベルの高いレゾネータをポータルにさすと、ポータルのレベルが上がる。ポータルのレベルが上がると「ハック」したときに出てくる武器やレゾネータや道具もろもろのレベルがそれに応じて上がる。ポータルのレベルも8までしかない。
 しかしより実感的にはユーザのレベルが意味するものは破壊力だ。緑と青は互いに敵となり、敵のポータルにささっているレゾネータを破壊し、リンクを切り、ポータルを中立化させる。このときレベルの低い武器ではあまり破壊できない。レベル8の武器は非常に強力で、撃っていてたのしいのだが、このレベル8の道具を出してくれるレベル8ポータルをつくるにはレベル8レゾネータを8本刺せばよいのだが、レベル8以上のプレイヤーが8人いないとできない。レベル1レゾネータは8本刺せるが、レベル7と8のレゾネータは1本しか刺せないのだ。こういう仕組はプレイヤーどうしがチームを組むことを促し、ゲームに拘束させるようにするだろう。なかなかよい仕組だ。しかも道具類は2000個までしか持てないことになっており、攻撃とかしたことない人でも排泄行為のごとく攻撃するしかない。よくできている。

 ところでAPだが、「レゾネータを刺す」「リンクをはる」「敵のレゾネータを破壊する」「敵のリンクを切る」などで稼げるのだが、ポータルを維持しつづけることで得られるAPはない。リンクをはって三角をつくるとそれが「コントロールフィールド」というものになり面積と人口密度に応じたポイント「マインドユニット」が陣営につくのだが、それをどれだけ維持しようとも、APにはならない。このゲームは2大陣営がコントロールフィールド....つまり支配人口を競いあうという設定だが、これはつまりただの統計情報であって、個人のレベルには全く関係ない。また個々人がどれだけがんばろうとも2大陣営の勝負に影響することはあまりない。少子化が進んでいるからといって子供を五人つくろうが少子化の趨勢に影響がないのとおなじである。このゲームの初期設定にはおせっかいな設定があり、自分でさしたレゾネータやリンクが敵に攻撃されるとメールが来てしらせてくれる。これが実にうるさい。うるさい上に、攻撃されたレゾネータにエキゾチックマターを注入して破壊を防いだところで稼げるAPはたかが知れている。そもそもこのレゾネータ、刺してから放置すると一日に15%の割合でエネルギーが減ってゆき、7日たてば消えてしまうのである。消えるべくプログラムされているのだから延命させてもろくなことはない。こんなものはどんどん壊し、どんどん刺していった方が個人のAPが上がるのだ。メールの設定はオフにできるのでオフにしてしまい、作ったものはふりかえらず新しいものを作ることに尽力した方がいいだろう。

 ということで、このIngress、世間的には「陣取りゲーム」とされているが、陣をとりつづけてもろくなことがないように設計されているのだから、陣取りゲームと紹介するのはよした方がいい。せいぜい陣作りゲームというところだろう。

 レベル8になったのだが、この京都という町はやたらポータルがあるので、京都の西にある祖母部屋から京都の東にある某図書館まで自転車でブラブラ移動しながら道々ポータルにちょかいを出すだけでかなりAPが稼げる。自動車生活で山奥にいたのではこんなことはできなかっただろう。Ingressをやりだしてからポータルのためにちょこまかと狭い路地に入っていくようになり、今まで気付いていなかったところに気付くようになったからこのゲームはそれだけでよいゲームであるといえる。
 ところで今つかっているネット用のスマホは4000円弱で買った中古のP-01Dだが、これがメモリが足りないせいかIngressのアプリがすぐ落ちる。無心に攻撃していると落ちる。ポータルがやたらある京都の中心地に行くと落ちる。落ちたうえに再び動かしてもまともに機能しないことが多いので、Android自体を再起動することもしょっちゅうだ。Ingress をやりだしたのは勧誘されたからで、緑に入っているのもそのせいだが、最初はまともにうごかなかったのでまじめにやらなかった。が、しかしこのためにLink2SDをいれたり、設定をいろいろいじったり対策を練ったおかげで落ちるまでの時間が長くなった。とはいっても落ちるのは変わりない。東京に行ったときはこれで「ハック」したユニークポータルの数が増えると思っていたものの、ポータルやリンクが多すぎてすぐ落ち、あんまり稼げなかった。つまりP-01D上のIngressアプリの落ちるまでの時間でその土地のポータル数やリンクの複雑さを知ることができる。

 京都はどうも緑が強い事で有名らしいのだが、中心地を離れると青も結構いる。今、祖母部屋のあるところは青の地盤で、しかも同じ建物に青が住んでいるらしい。うちの部屋からはGPSの具合次第で三つポータルにとどくのだが、その青からは二つしかとどかない。チームを作りやすいという事は書いたが、その青もそのチームの一員であるらしく、附近にあるポータルをリンクさせまくって三角をつくりまくっている。まぁつまり図書館から帰ってくるころには青の陣地が構築されているという寸法だ。しかも同じ建物に住んでる青はどうも陣地の維持に固執するタイプらしく、たまった武器を消費するべくバンバン撃っていると、壊した端から修復したりしておもしろい。気付くまで低レベルの武器で悠長にやるのがポイントだ。今日なんかはムキになってこっちが取ったポータルを壊しにくるので壊れたところでレゾネータをさし、また壊れたらさし、で労せずAPを稼ぐことができた。そのうちアプリが落ちたのでまた立ち上げなおすと、ポータルが青になっていたのでもうやめた。

 そういうと Ingress のIDをネットで通用しているものといっしょにすると恨まれたりしたときに大変らしいんだが、京都の東西であちこち壊しまくっているから恨まれたり、建てたポータルを狙って破壊されたりしているんだろうか。