メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

山間部での Ingress は厳しい

 暑くなってきたので山奥にひっこんだのだが、事故で胸の中央が痛い件について今まで漫然と寝ていてもなかなかよくならなかったので、肋骨のヒビをどう治療するのか調べると、コルセットで固定して安静にするのが定番らしい。病院に行くと金がかかるだけなので、コルセットのかわりにベルトを胸にしてみたところ、随分楽になったうえ痛いところもかなりよくなってきた。この分だとかなり早く治るのではないか。
 では山奥で安静にしていたかというとそうでもなく、本もつくらず調べ物もそれほど進めず、IngressでデカいCFを作るのに熱中していた。Ingressではポータルとよばれる点をつないで三角形(支配地すなわちCF)をつくり、その支配人口が緑と青の勝敗を決めるのだが、これはただの統計情報なので、長期的にみればプレイヤーの多い方が勝つに決まっている。決まってるのに熱中している人はやたら熱中しているのだが、なぜなのか気にせずに今までやっていた。京都市内はプレイヤーもポータルも多いので自由にできるのだ。

 で、京都市北部山間地帯にひっこんでみたが、ここでIngressをやりつづけるのは厳しいのがわかった。理由を挙げる。

  1. ポータルが少ない
  2. プレイヤーが少ない
  3. 都市民が遠征してくる

 最初の二つは田舎には共通の悩みだが、少ないなら少ないなりの楽しみ方があるのでそれほど重要ではない。問題はその田舎の弱みと都市民の遠征が結合すると最悪だということだ。

 ということで詳しく書いていこう。ポータルが少ない事はつまり移動距離が長い事を意味するが、田舎は基本車社会なのでそこはさほど重要ではない。小さな問題として、ポータルの間を車で移動するだけになるので「Distance Walked」がほとんど増えず、Ingressやってもせいぜい外に出るだけで健康にはそれほどよくない、というのがある。また田舎で巨大CF(支配地)をつくっても稼げるMU(支配人口)は知れたものだ。
 ポータルが少なくプレイヤーが少ないとプレイヤーのレベルも上がりが遅いしポータルの成長も遅い。このゲームは住んでいる場所にポータルが多いほど有利なのだ。京都市内を自転車で西から東へ流しながら、ほとんど降りずにハックしていくだけでポータルキーが50はたまるのだからおそろしいものだ。そして死にかけてるポータルが大量にあるのでそこにレゾネータをどしどし刺し、どんどんリンクをはってみみっちいCFをつくっているだけであっというまにレベル8になる。工夫も競争もない。それにくらべて田舎ではハックできる機会が少ないので補給すら難しい。

 まぁ低レベルなら低レベル同志で低成長をたのしめばよいのだが、大都市に近いと都市民が遠征してくる。なぜならMUという支配人口を示す数値は人口密度をある程度反映しているので都市の近くの山などは囲むだけでMUをどっさり稼げるボーナスステージになるからだ。都市民はその足場として田舎のポータルを利用する。都市からわざわざ出てくるのでもちろん歩いたり自転車で来るのではない。自動車かオートバイかにのってわざわざやってくるのだからもうIngressプレイヤーの中でもアグレッシブな奴らがやってくる。イメージ的には遊牧騎馬民族が馬に乗ってヒャッハーといいながら中国に攻め降りてくる感じだ。田舎の人間が出鱈目に作っているリンクやささやかなポータルはあっというまに粉砕される。しかも彼らは常に都会のハイレベルポータルで補給してフル装備でやってくるからおそろしい。自然とそういう大都市近傍の田舎は好戦的都市民同士の戦場の一部となり、田舎者は片隅で震えるしかない。

 田舎はポータルが少ない。プレイヤーも少ない。intelmapというのでその地域でおこった活動の履歴が追えるのだが、田舎だと誰がどこをどう通って何をしたかよくわかるのだ。その日のうちだと時間までわかる。ちょっと活動するとすぐに近所のポータルが特定される。好戦的都市民になるとそういうところをわざわざ潰しに来るうえ、ご丁寧にAXAシールドを一個づつうめこみレゾネータを数本だけ刺しわざと低レベルのポータルにして残していく。これが都会であればすぐに消えてなくなるのだが、ここ田舎では補給が難しいのでそんなものを消すために武器を消費するわけにはいかないのである。

 緑と青の勝敗がかかっているとはいえ、前にも書いたように勝敗はただの統計情報であってプレイヤーの多い方が勝つに決まってる。なんでこんなに必死になって山奥に入ってくるのか不思議だったのだが、ランキングというのがあることを知って合点が行った。ランキングをみるとこの山奥でポータルにレゾネータを刺してる連中の名前が並んでいる。このランキングというのはどうも、個人で獲得したMUが積算されるもののようだ。緑と青の勝敗はチェックポイントというある決まった時点でのMU比較だが、個人ランキングはそのチェックポイント間で稼いだMUと前回から残っているMUの合計できまるらしい。チームで活動しているように見える場合、intelmapの活動履歴で誰がMUを多めにとっているか追うとなかなかおもしろい。青と緑の勝敗に寄与しようとか言われて誰かのMUのダシにされてる人たちというのは実際いそうだ。

 デカいCFができるかに挑戦した件だが、親の軽トラを駆使して京都福井滋賀の山岳地帯を囲む国道沿いのポータルを利用したでかいCFの作成に成功した。それだけで5万8千MU程度あったようだ。いわば人口空白地帯でそんだけあるのは予想外だったが、その前後あちこちで活動したせいで余計に目をつけられることになったようだ。そりゃ必死になって山奥まで入ってきてランキングの上位を狙うプレイヤーにしてみればわけのわからんCFやリンクをやたら作ったりCFやポータルを漫然と壊したりする奴は目障りなんだろう。

 まぁそういうわけで Ingress やるならポータルもプレイヤーも多い都会でまったりやるに限る。大都市近郊の山間部にいる人は下手に手を出さない方がいい。あなたにも Ingress 遊牧民族が襲いかかってくる。
ヒャッハー!!