ダラムサラに約一ヶ月いて明日出るのだが、ダラムサラつまりマクロードガンジは非常にうるさいということを書いておく。
うるさいというのは他でもない、ディスコかなにかしらんが夜になるとマクロードガンジ中に響くくらいの轟音で音楽をかけるところがあったのだ。ちょうどチベット正月のロサルに宿替えしたのだが、その頃からその轟音ははじまった。マクロードガンジというのは狭い尾根であって、建物を建てれるのはその尾根の東側の谷の一帯に限られている。この狭い谷全体に響くような轟音でずーっと音楽を鳴らしているのだ。当初はカラオケみたいな感じのところもあり、ワーワー言ってる人の声もあり、まぁ正月のイベントなんだろう程度におもっていたが、チベット正月の15日を過ぎても延々と音楽を鳴らしつづけている。早い日には21時前に寝ることもあるこっちにしてみればうるさくてたまらない。
うるさくてたまらないというのは神経質で言ってるのではない。その音源は谷の向かい側のようだが、スピーカをこっちに向けているのではないかとおもうくらいうるさい。部屋の前で大声で話されているような感じで、耳栓をしても聞こえるような轟音だ。もともとが山の中の静かなところなので余計にうるさい。まぁさすがに日を越してまで鳴らしていないところがおなぐさみと言ったところか。うるささについては地形的なところもあるかもしれないが、「つなぐカフェ前の階段」の下のあたりに宿を取ろうとおもっている人は夜覚悟してもらいたい。明日出るから後のことは知らない。
あ、それからマクロードガンジは車の通行量もハンパなく多い。標高1800mのどんつきの山奥なのになぜ?と思うかもしれないが、その奧のバグス、トリウンドへ向かう車がかならずここを通るのだ。インドも景気がよくなって、中産階級かなにか知らぬが滝へお参りに行ったりハイキングに行ったりするために車でブイブイ通るのだ。そもそもこのマクロードガンジはチベット人のための土地ではなく、グルカ兵の駐屯地の近くにつくられたイギリス人の保養地で、1905年のカングラ地震でダメになったので放置されていたのをチベット人の受け入れ地になっただけなのだが、その駐屯地のグルカ兵がバグスの滝を信仰対象にしていたらしい。さらにいえば、このダラムサラという土地自体がダオラダル山脈の頂きの麓にあるということで山岳信仰の聖地になったのがもとらしい。つまりチベット人が本来お呼びになるような場所ではなかったのだが、イギリス人によって開かれ、グルカ兵の信仰*1と、チベット亡命政府の執念によって世界中から人が集まるようになって観光産業が発展して今日のマクロードガンジがあるというところ。しかし、インド経済の発展によって裕福になったインド人が暇つぶしに観光に来るようになって、マクロードガンジは奧の滝や山へお参りやハイキングに行くインド人観光客のただの通り道に変化しつつあるというところ。そういう意味でもうるさいといえばうるさいが、インドの都会にくらべたらましではある。