メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

京都市右京中央図書館

 一括寄贈されていた桑原武夫旧蔵書を一職員の一存で一括廃棄したことで急に有名になった右京中央図書館だが、よくつかっているので利用者としておもうところを書いておく。
 右京中央は市レベルの図書館の割には専門的な本が置いてある方で、調べものするときに間にあうことがある。京都資料の棚があって開架されている郷土資料はなかなか多いところなどはよい。京都の郷土資料は府立総合資料館が一番多かったがここは新館建設のために閉鎖されたのでそういうのを探すなら府立の郷土資料コーナーかここか市中央ということになる。電源付きの机のある勉強部屋みたいなところがあるのだがここは郷土資料・参考図書を使う人だけしか使えないという建前で、そういう建前がわりと守られているので利用者はかなりすくない。資格の試験勉強をしてるような奴は少ししかいないのだが必ずいるのがおもしろいところだ。分厚い一般図書を持っていって使わせてくれといっても断わられる。一般図書の方には机と椅子があるのでそっちをつかえということだろう。
 国会図書館デジタルコレクションの図書館送信が見れる端末が二台ある。デジタル検索資料(聞蔵など)の端末がその二台を含めて四台あるがいつ行っても多くて一人くらいしかいない。図書館送信などは半日占拠して使っていても何も言われなかった。あんまり使われてない原因の一つはディスプレイの画素数の低さだろう。いまだに1024x768なので、高画素数を前提とした今のデジコレの画面設計からすると実に不便であって最初は文句タラタラだったが、使いづらいから使われていないんじゃないかと気付いてからこのままでいいとおもうようになった。いつ行ってもすきなだけ使えるというのは大きな魅力だ。もっとも府立図書館の図書館送信の端末でもそんなに使われてないのでそもそもそんなに活用されていないのかもしれない。府立図書館は一枠一時間を二回という制限があって不便だが、そういう予約システムを構築してしまっているので今更変更できない。右京中央の送信図書受付システムは紙で管理してる原始的な運用なので現状に応じた柔軟な対応ができるところはよい。
 過去の新聞記事の検索は 朝日>読売>>>>>>|越えられない壁|>>>>>毎日 だが、右京中央の端末では過去記事は検索できない。契約してないんだろう。自分の言う過去記事は戦前の記事なので、まぁ市民レベルではあんまりつかわれないからいらないということなんだろう。
 その四台しかない電子リファレンスコーナーのとなりにDVDかなんかを見るブースが何個もあってそちらは盛況である。ネットをみる端末なんかもその近くにあるが使ったことないので使い勝手はわからない。どうでもいい。
 自分のよくつかうのは参考図書コーナー周辺だがその反対側の隅に桑原武夫コーナーがある。常にカーテンが閉めてあるのは直射日光を避ける目的だろうがもともと展示室として設計されているような感じではないから空間が死んでいてもったいない。ところで館長の中西進は自分用のささやかな展示コーナーをもうすこし入口に近いところに作っているのだが、桑原武夫のコーナもあの程度の規模にしてしまった方がいいだろう。自分は桑原隲蔵には興味があるがフランス屋の息子の方は全然興味がないのでどうでもいい。桑原隲蔵東洋史関係旧蔵書12457冊は桑原文庫として京大文学部書庫に置いてある。眺めたことはある。