2017年にこういう記事を書いた。電子ペーパーディスプレイ の Paperlike で有名な Dasung (北京 大上科技)が電子ペーパーの白黒を突破するためにディスプレイをプロジェクタのスクリーンにみたててカラー化するというものだ。
自分はこれは意欲的というより道楽的だとおもったのだが、まぁ、アイデアとしてはおもしろい。この計画、ポシャったのかとおもったが、どうも着々と計画が進行していたらしい。最近になって大上科技の微博(Weibo)で公開されたその写真がこちらになる。
色がついてますね....
しかしこうしてみると光の量のわりに色がちょっと薄くみえる。実物をみたら案外いいのかもしれないが、これだけみるとあんまりよくない。考えられるのがまず、プロジェクタのスクリーンは直近で見るのを前提にしていないので案外光が強い。さらにスクリーンの物性は鏡のようにきれいに反射するのではなく、いい感じにまんべんなく散乱させるところに特色がある。散乱するからいろんな方向から見えるわけだが、同時に散乱するので白くなりがちになる。そのために色が薄くなるのではなかろうか。しかも近くで見るから色づくほど光量を上げるわけにはいかない。それでも結局近くで見るので目には光が強いとなると、電子ペーパーが目にいいという話とズレてくる。色をつけるために投影するというアイデアを否定するわけではないが、実現したい目標に比して構造的にムダが多すぎるのではないか、というのが自分の見るところ。これなら液晶なりOLEDなりでブルーライトカットする方が価格的にもきれいさも優位があるのではなかろうか。既存技術の組み合わせでやるにはちょっと限界がありなにか偏光を利用するとか一捻り以上の工夫が必要になってくるがそこまではできるかな?
たとえば↓こういう技術。ガラスをスクリーンにする画期的な技術。これを使えば電子ペーパーの散乱光をあてにせずともよくなるので、投影する光量を抑えられる。
こういうのを使えばそこは突破できる。ただ、安いのかどうかわからんから家電に応用できるかな? 自分の見立てではこれでも結局構造的にプロジェクタを別に置かないといけないのがネックになるとおもう。
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