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経済成長は永遠なのか 「この一万年、むしろ例外」

経済成長は永遠なのか 「この一万年、むしろ例外」
編集委員・明石原人

 いつしか「経済成長」は私たちにとって当たり前のものになっていた。だが、それは永遠のものなのだろうか。

 産業革命の大黒柱であるエネルギー革命は石炭・石油をどんどん掘ってエネルギー消費を支えるという、かなり危うい技術である。にもかかわらず世論の支持が高いことが不思議だった。

 地球の軌道の歪みによる太陽との距離によって地球が太陽から受けとる総エネルギーは決まってくる。それによってほぼ10万年に一度1万年だけ比較的温暖な間氷期がやってくるサイクルが生まれてきた。石炭・石油は過去に植物の遺骸という形で蓄積された太陽エネルギーだ。

 ところが間氷期が終わろうとする今、人類は石炭・石油を大量に消費してCO2を大気中に放出するという異常な作戦によって、終焉に向かおうとする間氷期にストップをかけた。これには、そこまでする必要があるのか、と疑問を抱いた人が多かったのだろう。
 人類は、間氷期産業革命を経てエネルギーが増えることに慣れ、それを前提に制度や人生を設計してきた。

 だが石油の産出は常に有限であることが明示されている。ならば新たにエネルギー源をみつけようとした結果がシェール石油であり原子力だ。

 そこで疑問が浮かぶ。氷河期はそれほど「悪」なのか。地球の歴史のほとんどは氷河期だ。その間も人類の歩みが止まっていたわけではない。

 その間、シベリアでは細石刃

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