メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

2016年売上

 君見ずや出版
 さて2017年になったので2016年の売上を公表してみる。といっても11月と12月はまだ確定してないので概算だが、47万程度となった。ということで主たる収入源をKDPとしている自分にとってはこの時点で所得税などを免除される身分になることが確定された。(→嘘でした。税制の理解があまかった。これだけでも税がかかってきた。)よくない。非常によくない。これが副収入であればこういったお金は本なりおもちゃなりに消えていって生活に彩りを添えるのであろうが、主収入源なので全部飯・通信費などになっているだけだ。だいたい月4万弱ということでこの額だと今はおちおち海外貧乏旅行もしていられない。まぁ去年の今頃はしてたわけだが成果を出さなかったのであんまり意味がなかった。

 ただ、Kindleの読者層についてはどうせマンガとか小説とかエロ本とか読んでる程度の連中がほとんどで、数すくない好事家がうちの本を買ってるくらいだろうと思っていたが、そうでもないということもわかってきた。11月に出した辞書の『言海』がそこそこ売れているのだ。一時急に出たことがあったので調べてみるとアニメの「舟を編む」とかいうので言海が登場したために売れたということでやっぱりアニメかよケっ、と思ったものだが、その後も一日一冊とはいかないまでもジワジワ売れている。言海のようなものを買う人がいるということはその背後に膨大なまともな読者層があるということだ。君見ずや出版が今までなんとかつづいてきたのもその読者層のおかげなのだろう。そもそも最初これを始めたときの疑問「タダで読めるものを金を出して読む人がいるのだろうか」ということを忘れていた。左様・然り・御もっとも。わざわざ金を出して読んでくれてる人がいるので今までつづいているのだ。ありがたいことである。自分が金を出す立場になれば明らかなことも、物を売る立場になると自分かわいさで見えなくなる。まぁたしかに古書は読者を選ぶが、といって売れない物が多いのは買う人が少ないからではなくて買うに値しないという面も大きいだろう。
 そもそも読者も一様ではなく、マンガだけラノベだけ小説だけエロだけと偏った人の方がすくなくて、いろいろ重なっているうち一番大きい部門がマンガだったりラノベだったりエロだったりするだけなんだろう。読者の生データには接触できないからといってくだらない抽象化で客を想定すると現実離れしてしまう。よくない。
 まぁつまり Kindle Unlimited で読者層が増えれば直接関係のないパブリックドメインでも裨益するところは必ずあるということだ。

 ところで売上と書いたが、この場合自分の取り分だけであって、お客さんが本に対して払った総額ではない。Amazonの場合、自分の取り分について70%と35%が選べるが、パブリックドメインは35%しか選べないので、売上にだいたい100/35つまり約3倍すればいわゆる売上高つまり支払われた金の総額になる。自作および自作並に加工したものの売上は微々たるものなので無視してよい。

 バブリックドメインで一番面倒くさいのが競合だが、浮世絵関係でよく売れていたものはほぼ競合が現われかなり売上は縮小してしまった。国会図書館物はAmazonがせっせせっせと電子書籍化しており、Amazonとの競合になる未来が確定されているので普通の本には競合があらわれないんだろう。ま、人生の一時をしのぐものでしかないとおもえばそうかもしれない。