メモ@inudaisho

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院試合格と院試対策

院試合格

 さてあーだこーだ書いてた院試ですが、なんとか通ったようです。あーよかったよかった。ちなみに母校じゃないです。あと日本史とか東洋史とか西南アジア史とかじゃなくて中国文学です。最初の外国語(中国語)を悠長にやってたら時間が足りずに終わってしまい、どうなることかと思っていた。

院試対策

読解力涵養

 試験の内容は過去数年分の過去問をみてわかる傾向通りだった。つまり全訳で総合的な読解力をみるというものばかりなので付け焼刃ではどうにもならない。例えていうなら初めての山にいきなりほうりこんでオリエンテーリングやらせてどこまで目的地に辿りつけるかを見るようなもの。付け焼刃だと道に迷って死ぬ。とはいえ学部を出てすぐの人間が想定対象なのでそこまで難しいものがでるわけでもない。問題はしばらく中国関係から離れていたので読む能力が落ちている、ということでそれは演習にもぐるという荒技でなんとか読めるかもというレベルまで戻した。最初は過去問を試しにやろうとするとすぐ眠くなってできないという有様だった。

 ちなみに演習でやってたのは元曲と西遊記で、試験に出たのは現代中国語と宋代のいわゆる漢文と書簡文なのでジャンル的にはまったくカブってない。

基礎知識の詰め込み

 学部の専門は中文ではないので、中文の人なら知ってて当然な事ややってて当然な事が欠落している。その知識を補うためにとりあえず図書館で前野直彬編『中国文学史』を借りてきてチマチマまとめた。これなんだが、あとでよく見るとこれから行く先生の著書の中に中国文学の概説を意図して書いたものがあった。たぶんそれを読む方が試験対策としてはよかったんだろうが、そもそも伝統的な韻文史についてはあんまり知らない(興味が無かった)ので何でもいいから通史的なもので一通り押さえておく作業は必要だったのだ。そういう意味では前野本の方が、内容は古いけれども、一般に知られていたことを知るという意味で十分よかった。ちなみに院試までに全部まとめきれなかったので詰め込みはできてない。単に流れをまとめただけ。

中国語の語感

 それから中国語の能力だが、これも中国語の細かい文法事項が書いてある本を借りてきたがちょっとやったところでどうも違う気がしたのでやめた。で、図書館で中国語の語感を取り戻せるようなものはないかと探してみると、木本一彰『中国語筋トレ100読練習法』(東方書店 2015) というのがある。

中国語筋トレ100読練習法

中国語筋トレ100読練習法

 これを借りてきて大声出せる所に行って復唱しているとなかなかいい感じだった。ちなみにこれも最初の文の「100読」まで達していないので結局最初の文から先に進めていない。あと、これは有気音無気音の弁別とかそり舌音とか ing/eng などの基本的なことがわかってる(けどペラペラしゃべれない)人がやって意味のあるものなので、そういうのできてない人がいきなりとびついても効果が薄いとおもう。そして時間がなかったのでそれくらいしかできなかった。

 ペーパー試験の対策として意味があるのかということだが、文章は所詮人間のつくるものなので、字だけをにらんでウンウン唸るよりも口に出して文章の全体像をつかむ作業は役にたつ。

あんまり役にたたない

 以上、試験対策という名目で三つ挙げたが、結局試験対策というよりはその後も使えるスキルの涵養ということになる。過去にある程度やって中国にも行った事がある45のおっさんが、ブランクをとりもどすために院試対策を名目として一ヶ月弱でやったことなので、一応ネタとしてまとめておいたが、普通に院試対策を求めている人にはあんまり役にはたたないかもしれない。

 たぶん普通の院試対策として一番重要なのは

  • 卒論で関係するものを書く事

 ではないですかね。

中国文学史

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「現実」の浮上―「せりふ」と「描写」の中国文学史

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