メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

新刊案内

君見ずや出版
 さて調べものばかりしてて結局まだまとまってないので新刊が全然ないのもどうかとおもい、二部つくりました。

 道教育研究会『絵とき鉄道科学』昭和21年(1946)
 線路・保安・車両の三方面から鉄道運行に必要な技術について絵入りで平易に解説しているもの。事物よりはシステムの解説に重きをおいており、信号や線路の管理などから列車のトイレの構造まで多方面にわたっている。
 いや別に鉄道が好きとかそういうことはないですよ。全然ないですよ。全くないですよ。

 柳水亭種清・楊洲周延『白縫物語第70編』明治13年(1880)
 江戸時代のマンガともいえる合巻の最大長編『白縫物語』中の一冊を草稿と刊本を対照できるように合本したもの。まぁいうならばマンガの原作者の絵コンテとマンガの完成品を見比べれるようにしたようなものです。
 白縫物語は戦国大名の大友氏の遺児・若菜姫が復讐のために蜘蛛の妖術をつかって大活躍するアンチヒーローもので、幕末には爆発的な人気がありました。結局作者が死んで終わらず、三人も作者がかわって明治も18年になってようやく第71編がでてそれでも終わらなかったという代物です。のこりの19編が日の目をみたのは明治33年(1900)に活字になってから、なので最大長編というのはおかしくないですかね。ちなみに合巻というのは江戸時代の絵入物語の草双紙の最終形態ですが、幕末の合巻はエログロに走って堕落したといわれてます。