メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

新刊案内

 君見ずや出版
 今週は三冊。


水野年方『三十六佳撰』
 明治の画家・水野年方(1866-1908)の時代別美人風俗画集。浮世絵師の月岡芳年の弟子で芳年死後は月岡一門を率いてますが、神経質でちょっとキテる画風の師匠に較べるとよくもわるくもクソ真面目な画風ですね。当時の新聞小説の挿絵の人気画師。
 下絵も国会図書館にあったのでこれも順番を揃えて巻末につけました。

作詞:吉田栄次郎 作曲:山田耕筰 振付:土川五郎『東京市童謡』大正15年(1926)?
 戦前に制定された東京市の市民のための歌のひとつです。もうひとつが東京市歌。作詞者の吉田さんの歌詞は公募で選ばれたのですが、お披露目の前に関東大震災がおき、数ヶ月後に病死してます。振付がついてるのがおもしろいところで、しかもこの振付、当時の幼児教育の一世を風靡して全国に広まった「律動遊戯」の土川五郎によります。小さいころに「お遊戯」した記憶があるとおもいますがあれのルーツですな。

陸軍機甲本部高等官集会所『徒歩小、分隊ノ指揮及訓練ノ参考』昭和16年(1941)
 陸軍機甲本部高等官集会所が陸軍騎兵学校に命じて編纂させた小隊長・分隊長クラスの指揮官のための参考書。太平洋戦争開戦直前であったが既に当時大陸での戦線拡大のため、隊長クラスの指揮官の素質が低下していた。彼らのために具体的な例をまじえてわかりやすく隊長としての基本知識を解説した本。