メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

新刊案内

君見ずや出版
 今週は二冊。


 横山大観『輝く大八洲昭和16年(1941)

 岡倉天心の弟子で日本画の巨匠・横山大観が作った絵巻物。横山大観の父親は幕末水戸で活躍した志士ということで大観も親の影響でか勤皇思想が濃く、昭和10年代の空気に異様にマッチしていた人です。日本画の腕前をそういう方面で発揮したのがこの絵巻で、天皇を中心にした日本の歴史や風景を幻想的に描いています。
 しかし横山大観、巨匠というだけあってなかなかいいもんです。そうと知らなければ雲や山並などの並ぶ壮大な風景絵巻です。


 科学少年社編輯部『飛行機に乗れるまで』昭和10年(1935)
 雑誌『科学少年』の編輯部がつくった子供向けの飛行機解説本。イラストが豊富につかわれ、主に乗る側の視点から飛行機関連の技術が解説されている。正夫君とチビ技師なる少年が登場しその会話形式で話がすすむ。

 けど表紙画像が表示されてないな。苦情いれとこ。


 露伴水滸伝
 これは去年出してたものですが、各巻1000ページ程度ありファイルサイズがでかかったのを白黒画像にあらためて半分くらいに縮小しました。幸田露伴による水滸伝百二十回本の全訳です。訳というよりは書き下し文にちかいもの。水滸伝は現代中国語の模範の一つとなったほどの口語体で書かれているもので、それを漢文式に書き下す事自体が無理筋なんですが、その無理を押し通した労作。
 1000ページあっても出せるというのを再確認したのでそういうバカでかいのをまた出そうかとおもう。