新宮市立図書館の蔵書数推移
新宮市立図書館にずっと通って郷土資料を眺めているのだが、一般図書の開架はちょっと古くてあまり使う気にならない。どれくらい古いかというとまぁ自分が高校・大学くらいのころ(90年代)からあんまり進歩してないような感じにみえるくらいだ。平凡社の『大辞典』(世界大百科事典ではなく)が並べてある図書館ははじめてみた。
というところが気になったので蔵書数の推移を調べてみた。
ちなみにこういう表をつくってからこれを見たが
単館で蔵書10万というのは和歌山の中では多い方で、なんと田辺よりも多いんだな。ということで問題は蔵書が古いということに尽きる。
新宮市立図書館は昭和49年に開館した。この表にはその前の旧図書館の蔵書数も入れてあり、そのころの規模は一万六千程度。開館してから寄贈などたくさんうけつけたようだが、新図書館の初期から毎月たくさん除籍をしていたらしい。それは箱としての収容能力が少ないということに尽きる。広く置くと3万冊程度が限度で無理をして詰めこんでも7万冊程度が限界だそうだ。90年代末に謎の減少をしているが、2001年には中上健次資料収集室ができ、またそのころから郷土資料の収集にも力をいれたようなのでその準備でもあったのだろうか。(コンピュータ化のとき整理のついでに本を捨てたということだ) そのころにはすでに7万冊に到達しており、現在で10万冊ということは20年くらいで3万冊の増加だが、郷土資料だけでも7千冊程度から三万部程度に増えているので一般図書はむしろ減っているハズである。しかも中上健次資料収集室は新しく作ったわけではなく新しく区切ったのでその分狭くなっている。毎年の図書購入費は500万から600万程度でそんなに少ないわけでもないが箱に無理があったようだ。一般書架が90年代から進歩してないように見えるのも無理はない。
実はこの図書館、当初の敷地はもすこし広かったらしい。買収した土地が市道の拡幅で一割ほど削られ、設計を変更して今の形になったようだ。もっともあんまり広くはない土地に駐車場なども入れようとしていたようなので削られなくてもそんなに違いはなかったかもしれない。
新宮市の予算規模は100億を越えているのにこういうところにこれだけしか投入できず箱も貧弱なまま放置しているというのが何かを物語っているようではあるが言ってもしかたない。もう一つ文化施設でネタがあるのでそっちは詳しく書く。
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