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無料キャンペーンの結果 その2

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[KDP][君見ずや出版] 無料キャンペーンの結果 - メモ@inudaisho

 さて無料キャンペーンの結果その2です。
 前回無料キャンペーンが他の本に直接どういう影響を与えるかについて書きました。結果は「ほとんどない」でした。今回は無料キャンペーンが終わったらその本はどうなるか、についてです。まぁグラフをみれば一目瞭然ですわ。


 三日半の無料キャンペーンで出た数は800弱、Kindle無料本の10位以内をうろうろしていたことは書きました。それが終わると全く反応なし。これをどう解釈するかですな。

  • 本自体に価値がない?
    • 無料であっても800弱ダウンロードされてるわけなのでまったくないわけではないようです
  • 値付けが高い?
    • 250円は高いのか。高いかもしれない。

 まずランキングについて検討します。
 Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング: Amazon の Kindle ストアでの電子出版に関するヘルプ

Kindle ストアの Amazon ベストセラー ランキングは、Top 100 (有料) と Top 100 (無料) に分かれています。本が無料で提供されている間は、無料版ランキングに掲載されます。無料キャンペーン期間が終了すると、有料版の Amazon ベストセラーのランキングに掲載されます。

 注意深く読めばわかりますが、無料本のランキングは有料本のランキングに一ミリも影響を与えない。有料本のランキングは売れた数の時間に対する微分とか積分だけで決まります。無料本でどれだけ出ようとも有料本のランキングには関係ない。
 つまりこういう次回作もみこめず単品で完結しているものは、無料キャンペーンで出ればその分見込客が減っていくだけです。

 次に宣伝効果です。これはあきらかですね。

  • 無料キャンペーン前は1。
  • 無料キャンペーン時(四日弱)には800弱。
  • 無料キャンペーン終了後(三日間)は1。

 個人出版ですこし出しているような本の場合、宣伝力は限りなくゼロに近いということがわかります。そして無料キャンペーンの宣伝力はすごいということでもあります。しかしまたこの無料キャンペーンで出る数の相当部分が無料にたかる人ということで、800程度ではその壁を完全には乗り越えていないということでもありましょう。「たくさんの人に見られた方がいい」というだけなら自前のサイトで全部公開してカウンターでもしこんでおいてニヤニヤしている方がマシです。

 それから800弱という数ですが、
2013年電子書籍の収支 - CHINGE
2014年電子書籍の収支 - CHINGE
 を参考にすると一番よく売れているマンガで2万7千程度でているそうです。つまり、日本のKindleユーザの中で画像系の本を読むユーザの数もそれを基礎にして推定できる規模ということになります。その推定の根拠がないので乗数をいくらにすればよいかわかりませんが、3倍いるとしても8万人弱。1%か... これがテキストだけになるともっと増えるとおもいますがまぁ800は数%もいかない数ということでもっとバラまいてもよかったのかもしれない。

 やはり試供品的なものか、数冊揃いのうちの一冊だけとか、そういうもっと即物的に誘導する方向でないと無料キャンペーンは効果がでないのかもしれない。では実際それで効果がでるのか?わからぬ。そもそもおまえの出しているものが人の財布を緩めるようなものではないのだと言われればそうかもしれない。

 無料キャンペーンは安易に利用しても効果はみこめない。もっと戦略的につかわねばならぬということで締め。