メモ@inudaisho

君見ずや出版 / 興味次第の調べ物置き場

パブリックドメインでKDPセレクトに挑戦

 Kindle Unlmited がうらやましい〜!!!

 しかし KDP でのパブリックドメインの販売には取り分35%の枷がつけられている。Kindle Unlimited にもいれてもらうためには KDP セレクトに登録して取り分70%にならねばならないのだが、Amazon の規定でそれができないのだ。(日本インドブラジルのみは70%のためにKDPセレクトへの登録が必要)

 しかしこの規定には当然ながら穴があり、

[KDP] パブリックドメインに関するKDPの穴 - メモ@inudaisho

 この記事にも書いたようにちょっと加工したりすればKDPセレクトにも登録できるようである。しかし君見ずや出版はその手段を取らずにいた。くやしいくやしいくやしい!

 ということで今回、パブリックドメインでKDPセレクトに登録するために正面から攻めてみることにした。もちろん上のようにちょっと色をつけたりする方向ではない。ちょっと色をいじるくらいのことは今まで普通にやってきている。作戦としては崩し字と翻字の合体である。

 ←こんなふうに江戸時代の本と大正の翻字を合わせて崩し字解読の練習によいものを作ってみた。ちなみに簡単にできるとおもったのだが、翻字に脱落や誤読のようなものが大量にあったのでいちいち切って貼ったり新たに入力したりするハメになった。どうもこの本、江戸文学の中では相当初期のものにあたり、写本で流布してるうちに内容が変わったりしているらしい。大正の翻字が変なのもそういうものを下敷にした可能性もあるので一概に大正の翻字がひどいということもできない。たとえばこれが19世紀の馬琴ものであれば木版で出版されたものが大量に流布しているのでそれをもとにすればよくバリエーションがそんなに生まれることもなく、翻字したテキストが微妙に違うということもない。出版が産業として確立している状態ならば、版を押さえていけばよいが、写本として流通している場合は版という概念はなく、テキストが重要となる。

 というテキスト流布の機微を味わされたが、まぁ水滸伝などの中国の小説ではおなじみの現象なので、逆にあぁそういうことかと勉強になった。


 は! いけない。一文にもならない勉強なんかしてる場合じゃない。大事なのはこれがになるかどうかだ。これだけ加工したらパブリックドメインを利用して別物にしたと見做されてもいいんじゃなかろうか。さてKDPセレクトに登録されるのかどうか。まずはそこだ。(登録されたとして売れるかどうかは気にしない)

 しかしこれから世界大乱に突入しそうなご時勢にKDPに期待するとか微妙な話かもしれんな。世界の前提条件が変わったところで浮き上がれるかどうかはそれまでに種をまいたかどうかにかかってくるのだが、種にも芽が出るものと出ないものがある。こんなものをアメリカの会社で売ってる時点で無理なんだろう。

水鳥記 崩し字解読

水鳥記 崩し字解読